激しい揺れによって店の柱などが倒れて道路をふさぎ、倒壊した店舗も捉えられた一枚=1995年1月17日(和田幹司さん撮影、神戸アーカイブ写真館提供)
激しい揺れによって店の柱などが倒れて道路をふさぎ、倒壊した店舗も捉えられた一枚=1995年1月17日(和田幹司さん撮影、神戸アーカイブ写真館提供)

 鉄人28号モニュメントがそびえる長田区の若松公園で昨年11月、阪神・淡路大震災の復興市街地再開発事業完了式典が開かれた。神戸市が主体となり、商業ビルやマンションなど44棟を整備したが、土地買収と床売却が難航するなど当初見込みから21年遅れた。

 お膝元にある新長田1番街商店街振興組合の理事長木村繁一さん(67)は「ハード整備が一区切りしただけ。にぎわいづくりなどはこれから」と話す。

 1995年1月17日、午前5時46分に発生した地震により、新長田周辺は大きな被害を受けた。発生直後の同商店街を捉えた写真を見ると、店は崩れ、アーケードに下がる看板は曲がり、通りは倒れた店の柱でふさがれている。

 同商店街の中にある菓子店「遠州屋」が木村さんの店だった。当時店の2階にいた父と姉が心配で、自宅から靴下のまま駆け出した。アーケードに差しかかると、軒を連ねた店が前へ横へと崩れていた。58店舗のうち9割が全壊。幸い2人は無事だったが、木村さんは「日本が終わったと思った」と振り返る。