■復興需要、工事費用が高騰
2011年3月に発生した東日本大震災は、未曽有の大災害になった。福島第1原発事故も引き起こし、被害の全容さえ見えなかった。
中央区港島中町3のマンション「ポートアイランド住宅」の耐震改修工事計画も、大きな影響を受けた。
管理組合は同年1月から施工業者を公募していたが、各事業者は復興事業による建設需要を見越し、見積もり辞退が相次いだ。
応募のあった事業者も、見積もりが異常に高額だったり、建築資材が確保できない場合の工期延長を求められたりと、管理組合側にとっては不利な内容ばかりだった。
国や県、神戸市から多額の補助を受けたとしても、総費用が予算を超えることは確実だった。
理事会は、耐震化計画の中止を決めざるを得なかった。
計画は、ほとんど白紙に戻った。
◇