夕暮れ時、播磨灘の安全に目を光らせる灯台の照明=赤穂市御崎
夕暮れ時、播磨灘の安全に目を光らせる灯台の照明=赤穂市御崎

 夕暮れ時、赤く染まった播磨灘に、まばゆいばかりの白い光線が伸びていく。小高い丘の上にそびえる赤穂御埼(みさき)灯台(赤穂市御崎)。頂部にある灯器は夜明けまで、四方に向けて回転し続ける。長年、沖合を行き交う船舶やまちの人々を見守り続けてきた。(辰巳直之)

 灯台は1963年3月に稼働を開始。高度経済成長期の50年代後半に市沿岸部で工場建設が相次ぐ中、資材を運ぶ船の事故を防ぐために建設された。

 白亜の八角形で、高さは16メートル。10秒に一度の瞬きは約37キロ先まで届く。管理する姫路海上保安部の担当者によると、近年、衛星利用測位システム(GPS)機器を搭載する大型船にとって重要度は下がった一方、小型の漁船や遊漁船は今も灯台のあかりを頼りに航行するという。