兵庫県宝塚市安倉西２の民家で家族ら４人がボーガンで殺傷された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された無職野津英滉容疑者（２３）が逮捕直前、現場の民家の前で立ち尽くしていたことが８日、周辺住民への取材で分かった。４人が襲われた後とみられ、警察官に「やったんか」と問われた際、「はい」と答えた後は無言で、青白い顔で連れ出されたという。

　県警によると、事件は４日午前１０時すぎ、首を撃たれた伯母（４９）が近くの民家に逃げ込んだことで発覚。近所の女性によると、通報で駆け付けた警察官は、伯母が逃げ込んだ民家に直行し、その間、若い男性が、現場となった民家の前でぼうぜんと立ち尽くしていたという。

　この男性が野津容疑者だったとみられ、女性は「服はきれいで、血も付いていなかった。ただ立っているだけだった」と話す。

　別の住民によると、同容疑者は白いＴシャツにジーンズ姿。事前に言い争う声や大きな物音も聞こえなかったという。

　事件は４日午前に発生。捜査関係者によると、野津容疑者は、同居する祖母の好美さん（７５）、弟の英志さん（２２）に続き、民家を訪れた伯母、近くに住む母マユミさん（４７）の順に狙ったと供述しているという。祖母と弟、母が死亡し、伯母が重傷を負った。