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宝塚・ボーガン殺傷

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現場となった民家。玄関には花が供えられていた=10日午後、宝塚市安倉西2
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現場となった民家。玄関には花が供えられていた=10日午後、宝塚市安倉西2
野津英滉容疑者(高校の卒業アルバムから)
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野津英滉容疑者(高校の卒業アルバムから)

 兵庫県宝塚市安倉西2の民家で4人がボーガンで殺傷され、無職野津英滉(ひであき)容疑者(23)が逮捕された事件は、11日で発生から1週間となった。動機の解明はこれからだが、複数の知人らが「ひきこもりがちだった」と証言。本人が知らないまま大学を除籍されていたことが明らかになるなど、周辺の取材からは、同容疑者がここ数年、社会や家族の中で孤立感を深めていた様子が浮かび上がっている。

 事件は4日午前に発生し、野津容疑者は、伯母(49)に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。伯母は首を撃たれ、重傷。祖母の好美さん(75)と母マユミさん(47)、弟の英志(ひでゆき)さん(22)の3人は頭部を撃たれ、いずれも1階で倒れていた。

 兄弟が通った空手道場の男性指導員によると、野津容疑者が最初にひきこもりがちになったのは中学入学前後という。それでも高校時代は友人に囲まれて過ごしていたといい、2015年4月に神戸市内の大学に進学した。

 入学後しばらくはゼミ活動などに取り組んだが、途中で学部を変えた。次第にキャンパスから足が遠のき、入学から4年後の19年度春からは休学。休学中も半期に6万円の在籍料が必要だが、野津容疑者からの支払いは前期分だけ。後期分の支払いは滞り、2カ月超の滞納で除籍という大学の規定で、19年9月に除籍になった。

 ところが野津容疑者自身は、逮捕後の調べに「大学4年」と答えており、捜査員から教えられるまで除籍の事実を知らなかったという。大学からの通知は別居していた母親宅に送られていたとみられる。

 一方、弟の英志さんは兄と対照的な学生生活を送る。アルバイトに励みつつ専門学校で建築を学び、この春、大手ハウスメーカーに就職。就職指導した職員は「夢や希望を熱く語っていた」と回想する。

 今年初め、空手道場を訪れた英志さんは、兄の近況について「最近、またひきこもりになって自分の部屋から出てこない。家族ともほとんど話さない」と話したという。以前から道場生や保護者らには「兄だけは嫌いや」と吐露しており、家族内の感情のこじれが背景にある可能性がある。

 付近の住民らによると、現場の民家には24年ほど前から好美さんが入居。母と兄弟の3人は、2年ほど前に近くの県営住宅を引き払い、兄弟は好美さん宅、マユミさんは近くの集合住宅に移り住んだ。マユミさんは週数回、赤い自転車で訪れていたという。

 「家賃を払えないから引っ越す」。マユミさんは近隣住民にそう話していたという。同じ県営住宅に住んでいた女性は「金銭面ではいろいろ苦労していたみたい」と話す。兄弟の奨学金についても悩みを聞いたことがあり「2人とも私立高校で、お母さんも大変だったのでは」。マユミさんはかつて葬儀会社で働いていたとみられるが、事件当時は無職だった。

 一家は、祖母の好美さんを除いて近所付き合いがほとんどなかったようだ。ここ数年、野津容疑者を目にした近隣住民は少なく、近隣の男性は「たまたま見かけてあいさつをしても、下を向いて目を合わそうとはしなかった」と語る。

 野津容疑者は調べに「家族を殺すつもりでやった」と話しており、県警が動機の解明を進めている。

2020/6/11

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