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宝塚・ボーガン殺傷

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所有するボーガンを構える愛好家の男性=和歌山県内
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所有するボーガンを構える愛好家の男性=和歌山県内
男性が所有するボーガン
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男性が所有するボーガン
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男性が所有するボーガン
神戸新聞NEXT
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 兵庫県宝塚市の民家で家族ら4人が殺傷され、母らへの殺人容疑で長男の野津英滉容疑者(23)が再逮捕された事件では、ボーガン(洋弓銃)が凶器に使われたとみられる。競技用として普及する一方、インターネットでは護身用などの名目で販売され、容易に購入できる。高い殺傷能力があるボーガンは何度も事件で凶器となったが銃刀法の対象外で、販売規制などは自治体任せとなっているのが実情だ。(堀内達成、津田和納)

 ■射撃競技の利用も

 ボーガンはクロスボウとも呼ばれ、銃のように引き金を引いて矢を放つ。神戸市内で防犯グッズを扱う店舗は、1~3万円程度の価格で3種類ほどのボーガンを販売。18歳未満には売らず、対面販売では客の身分証を確認し、ネット販売なら、相手が自宅で受け取る場合に限って配送していたという。店主は、宝塚の事件直後は「興味本位か、一気に売れた」と話す。

 ボーガンは、英語の弓「BOW(ボウ)」と銃「GUN(ガン)」を組み合わせた和製英語で、西洋で用いられた弓の一種。狩猟や戦争で使われたとされる。

 日本では射撃競技の道具としても普及し、学生らが部活動などで取り組む。競技用は弓の形状や矢の全長などが規定される。購入先は限られ、価格は数十万円に上るという。しかし、ネットでは高い殺傷能力がありながら安価なボーガンが、護身用やおもちゃの名目で販売されている。

 ■ドラム缶を貫通

 競技以外でボーガンはどう使われているのか。30年にわたって趣味にする大阪市の会社経営の男性(71)は数万~30万円ほどのボーガンを五つ所有する。和歌山県に持つ土地で練習する。価格数万円というボーガンで2メートルほど離れた場所からドラム缶を打つと、矢は無音で飛び軽々と貫通した。

 ただ、弓を引くにはかなりの力が必要で、1本が数百円という矢は曲がってすぐに使えなくなる。男性は「体力も金もいるため、趣味で始めてもみんなすぐにやめてしまう」と話す。

 ■銃刀法の「網」なし

 銃刀法は銃や刀剣類として、猟銃やなぎなたを規制するがボーガンは対象から漏れる。ボーガンは隠して携帯することは軽犯罪法が禁じるが、実質的な規制は自治体に委ねられている。

 兵庫県は宝塚の事件を受け、ボーガンを青少年愛護条例にある「有害玩具類」に緊急指定。販売店などに18歳未満への販売や貸与を禁止した。規制する条例の制定も検討しており、専門家会議を立ち上げる方針。政府でも菅義偉官房長官が「使用実態を踏まえて、法規制を必要に応じて検討する」と問題意識を示した。

 ボーガンを凶器にした事件は後を絶たず、東京都では1985年、ボーガンを持った男子高校生が派出所を襲撃する事件が発生。野外で矢で傷つけられた動物も度々報告されている。神戸市内の防犯グッズ店は事件後の規制強化を聞き、ボーガンの販売をやめた。店主は「規制するなら猟銃のように徹底的にしたらよいと思う」と話した。

2020/6/25

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