宝塚・ボーガン殺傷
兵庫県宝塚市安倉西2の民家で4人が殺傷された事件で、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された野津英滉容疑者(23)について、殺害された弟の英志さん(22)が生前、同容疑者への複雑な思いを吐露していたことが、友人らの証言で明らかになった。家族内での感情のもつれが惨劇につながった可能性が浮上している。
野津容疑者は、県警の調べに「家族を殺すつもりだった」と供述。母と祖母、弟の殺害を認める一方、落ち着いた様子で、食事をおかわりできるか尋ねたという。
事件では、野津容疑者の祖母の好美さん(75)と母マユミさん(47)、弟の英志さんの3人がボーガンの矢で頭部を撃たれて死亡。いずれも好美さん宅1階で倒れており、伯母(49)も首を矢で撃たれた。矢は計5発発射されたとみられ、英志さんには2本刺さっていた。
付近住民らによると、現場の民家には24年前に好美さんが入居。母と兄弟の3人は2年ほど前に近くの県営住宅を引き払い、事件当時、兄弟は好美さん宅、マユミさんは約480メートル離れた集合住宅に住み、マユミさんは週数回、好美さん宅を訪れていたという。
兄弟は幼い頃、近くの空手道場に通った。指導した男性によると、幼少時は兄が弟を泣かせていたが、成長して立場は逆転。英志さんは「(兄に対し、自分の方が上であるという)力関係を常に示している」と言っていた。野津容疑者は小学校高学年ぐらいからひきこもりがちになったという。英志さんは最近、兄の近況について「またひきこもりがちになって自分の部屋から出てこない。家族ともほとんどしゃべらず、たまに僕と話をするぐらい」と話していたという。
幼い頃から兄弟を知るという女性(83)は「性格は全然違う。弟はやんちゃな感じ。兄はあいさつされると声を出さずに頭を下げていた」と振り返る。
英志さんの友人で、数年前に同じ空手道場に通ったという男性(42)は「(英志さんは)小さい子どもを抱っこして面倒見がよく、優しかった」と振り返る。ただ兄の話になると、強い口調で「とにかく兄貴だけは嫌い」と繰り返していたという。「兄弟げんかを『時々する』と言っていた。亡くなってかわいそう。悔しい」と話した。
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