「産まれて間もない子猫がぐったりしている」
そんな一通のDMから始まった物語が、多くの人の胸を打っています。
投稿したのは、保護猫活動を続ける「むし子。」さん(@sa_chi_tan)。先月、フォロワーから届いたのは「どうしたらいいか分からない」という切実な相談でした。夜中でミルクも手に入らず、ご主人は猫アレルギー。子猫は声がかすれるほど衰弱していました。
「最初は翌朝に病院へ連れて行ってもらうようお願いしましたが、このままでは持たないと判断し、私のもとに連れてきてもらうことにしました」とむし子。さんは振り返ります。
■危機を超えて
迎え入れた子猫は、想像以上に小さくぐったり。過去に似た状態で亡くなった子猫を思い出しながらも「この子こそは助けたい」と強く感じたといいます。
その小さな体が、ゆっくりとミルクを飲み込んだ瞬間、「まだ生きようとしている」と確信したそうです。
子猫は「小平(こだいら)」と名付けられました。県外の東京都小平市から家族総出で車を借りて駆けつけた相談者への敬意と感謝が込められています。
■支え合いがつないだ命
今回の救出劇には、多くの人の協力がありました。相談者の迅速な判断、病院を休日返上で開けてくれた獣医師とスタッフ、そしてむし子。さんを日々支える家族やフォロワーたち。
「活動できているのは支えてくれる人がいるから。誰もが諦めなかったからこそ、小平は生きています」と語ります。
■読者へのメッセージ
むし子。さんは記事を読む人に向けて、こう呼びかけます。
「苦しんでいる生きものを見たら、できることをしてください。保護できなくても、知識がなくても、必ず自分にできることがあります。動物は強い生命力を持っています。そして私たちもまた、多くの力を持っている。諦めずにいてほしいのです」
SNSでは「温かいご家族と保護主さんに感謝」「生きようとする力に涙が出た」といった応援の声が相次ぎました。
小さな命を巡るドラマは、猫を飼う人だけでなく、多くの人に“希望を諦めない大切さ”を伝えています。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)