兵庫県丹波篠山市立町の黒豆卸の老舗「小田垣商店」が、本社敷地内にあり、大正時代に建てられた国登録文化財「小田垣家住宅離れ座敷」を改装し、1棟貸しの宿泊施設「豆家(まめや)」として17日にオープンする。世界的な美術家・杉本博司さんらが率いる建築設計事務所が改修を担当。高級路線の宿で、海外の富裕層らの利用も見込み、隣接する店舗やカフェとともに、城下町から世界へ、「黒豆文化」や丹波篠山の魅力を発信する。(堀井正純)
小田垣商店は、江戸中期の1734年創業。本社敷地内にある、江戸後期から大正初期にかけての店舗や住宅、蔵など10件が2007年、国登録文化財に登録された。18年から10件の改修に着手。「生きた文化財として活用し、黒豆文化の継承や地域貢献を目指したい」と、杉本さんと建築家・榊田倫之さんが設立した「新素材研究所」(東京都)に設計監修を依頼した。