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渋谷知秀さんが栽培するカラルー。高さ約2メートルまで成長する=10月、加古川市野口町北野
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渋谷知秀さんが栽培するカラルー。高さ約2メートルまで成長する=10月、加古川市野口町北野

 「人類史上最速の男」と呼ばれたウサイン・ボルト元選手を生んだジャマイカで、鉄分など栄養豊富なスーパーフードとして親しまれている葉物野菜「カラルー」。それを兵庫県加古川市野口町北野の農業生産法人「SHISURU(シスル)」が地元で栽培し、日本人アスリートを支える健康食材として提供する計画を進めている。成長が早いため夏場に連作でき、休耕田の活用にもつながるという。(笠原次郎)

 カラルーはヒユ科の作物で、葉の長さは25センチほどになる。低木のような幹が伸び、高さ約2メートルにまで成長。カルシウムは牛乳の6倍、鉄分はホウレンソウの約2倍、ビタミンCもゴーヤーと同等で、タンパク質も豊富に含む。

 加古川市内での休耕田増加などを受け、橋本博明社長(42)=同市=が2018年12月、知人で建築内装業の渋谷(しぶたに)知秀さん(62)=同市=と法人を立ち上げた。法人名には「世の中に資する」との思いを込めた。

 最大の特長は、成長の早さと収穫量の多さだ。4月に種をまくと1カ月後には収穫でき、9月末まで連作が可能となる。葉物野菜が少ない夏場に出荷できるのも魅力。加古川は瀬戸内式気候で年間を通じて晴れの日が多く、近年の温暖化で、より栽培に適するようになっているという。

 食感は葉が硬めでシャキシャキとした歯応えがあり、ハンバーグや牛肉との炒め物、お好み焼きなどにもマッチ。現在は渋谷さんの妻が営むカフェ「ナチュラルカフェなば菜」(同市加古川町北在家)で料理に使い、渋谷さんは「味の名脇役。カレーやギョーザ、ケーキやクッキーと何でも合う」と太鼓判を押す。

 約10アールの農地で昨年に続いて今年も1トン以上を収穫。地域の資源を生かす取り組みとして、東播磨県民局の補助金を受け、同県明石市ののり加工業「鍵庄」に依頼して粉末にする。一部は有力スポーツ選手が所属する大学に提供し、競技力向上の実証実験に使ってもらうよう働き掛けている。

 橋本社長は「夢のある作物。加古川から全国に栽培地を広げ、農家の高齢化で増えている休耕田を減らす助けになれば」と話す。

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