兵庫県立考古博物館(播磨町大中1)の職員が興味深い話を教えてくれた。「土器や石器など出土品は、落とし物のように警察に届け出るんですよ」。太古の持ち主が名乗り出ることは考えられないのに、なぜ届けるのだろう。それに出土品が落とし物なら、古代人の骨が見つかれば死体遺棄事件になるのではないか。調べてみると、昔の人の暮らしを未来に伝える工夫が、法律や制度に施されているようだ。(門田晋一)
同館などによると、出土品の所有者が不明な場合、文化財保護法や遺失物法に基づき、兵庫県内なら文化財認定の権限がある県や中核市以上の教育委員会は「埋蔵文化財発見通知」を作成。それ以外の市町教委は「埋蔵物発見届」を準備し、それぞれに出土品の数量や一時的な保管場所を示す保管証を添えて警察署に提出する。
警察は出土品を引き取らないが、公告した書類を署内で6カ月間張り出す。この間に所有者が現れない場合、埋蔵文化財発見通知が出された出土品は県教委に帰属。埋蔵物発見届についても県教委が文化財としての価値を見極め、認定すればいったん県教委の所有になる。いずれも市町から申請があれば、各市町に委ねられる。
文化庁によると、こうした複雑な手続きを取るのには、発見者が遺失物等横領の罪に問われるのを避ける狙いがある。担当者は「道で拾った財布を交番に届けなければならないのと同じ。文化財は国民共有の財産で、適切に管理するための重要な手続きだ」と強調する。
◇
では、人骨はどうか。古代人でも、土中で発見されれば大騒ぎになるのではないかという疑問に、同館の担当者は「それはないですね」ときっぱり。
県教委が定めた出土品の取り扱い基準では、人の遺体やその一部は土器や石器などと同様に「遺物」として分類する。実は古墳などで木や石のひつぎに納められた人骨は、丁寧に葬った形跡などの“状況証拠”がそろっているので、騒動にはならないという。専門の学者から意見を聞き取り、出土品と同じ手続きに入る。
万が一、県内で古代人が直接土に埋められていたとしても、酸性の土壌によって年月をかけて土に返り、骨が見つかる可能性はほとんどないという。
ちなみに同庁によると、国内では過去に、数百年前の人骨が遺跡以外で発見され、行き倒れなどの身元が分からない「行旅(こうりょ)死亡人」として官報で公告したケースもあるそうだ。「対象が遺体である以上、慎重に取り扱った結果」とする。
◇
同館では2007年のオープン時から、出土品とともに「ひとみさん」「ジョー」「タマちゃん」などの愛称が付けられた人骨6体が展示され、昔の生活を伝えている。県教委の担当者は「大切な人を亡くした時の悲しみや慕う気持ちは、昔の人も現代人も同じだということを知ってほしい」と話す。

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