うちの子、実は天才なんです! 展示するわが子の絵画などを、親が堂々とそう言い切ってしまう「親バカ展」が、兵庫県高砂市米田町古新のカフェ「はま茶」で開かれている。並ぶのは自由な発想で仕上げた絵画や写真などだが、持ち込んだのは作者ではなく親ばかり。年齢制限もなく、例えば数十年前の作品を80代の親が持って来るケースも。29日までの会期中も作品を募り、会場を「親ばか愛」で満たしていく。(笠原次郎)
主催するのは、同カフェが入る同じ建物で美容室を経営する浜田健太さん(43)=同市。小中学校の絵画展では、金賞の常連だったという。同様に絵がうまかった親友との会話で、「血筋なのか、やっぱりうちの子も絵がうまいよな」と同意見で盛り上がった。そこから「親が子どもの作品を持ち寄って見てもらう」企画展を開くことに。知人約30人に参加を呼びかけた。
巧拙は問わず、創造力を尊ぶ親が愛する作品だけを集めた会場には、子どもが散歩中に拾った花を使った押し花▽自宅の壁に描かれたわが子の落書きを撮った写真▽乳幼児の絵を父親がジグソーパズルにしたもの-などが並ぶ。
浜田さんの知人で、子どもたちの絵を出品したNPO法人職員の菅寛和さん(37)=兵庫県稲美町=も筋金入りの「親ばか」だ。長男朔太郎ちゃん(6)の絵を「大好きな木琴の曲に出てくる音符を『みみれど』と絵の中にあえて文字で書くなど、発想が素晴らしい」とべた褒め。長女紬ちゃん(5)が描いたドレス姿の女性も「以前に比べて服の細かい描写が上手になった」と絶賛する。
そんな作品を前に、浜田さんは「子どものことを、いつまでも親としてしっかり自慢したい」と話す。他人から「上手じゃない」と思われても、「親が自慢に思うことが大事。子どもの自信になればいい」と言い切る。
浜田さんは最近、出版社「ひとひと出版」を立ち上げた。「作品展を継続的に開いていき、身近な親ばかたちを発掘していきたい。それらの作品を収録した本を出版し、全国の人に見てもらえたら」と意気込む。
親は子どもの作品を1点ずつ持ち込む。子の顔写真、タイトル、親による作品紹介文を添えて展示する。作品をモチーフにして作る缶バッジなど物品の販売も可。午前9時半~午後5時(月曜休み、17日は午後4時まで)。スペースに限りがあるため出品は要連絡。出品料・販売手数料は無料。浜田さんTEL079・432・4711
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