「生きヘタ?」ニュース
■「ゆっくりと、子どもの気持ちを聞いて」 不登校についてフリースクール代表、矢野良晃さんに聞きました
小・中学校で不登校の児童生徒数は2020年度、全国で19万人を超えています。不登校の子どもや親らを支援する神戸市垂水区のフリースクール「For Life」の代表、矢野良晃さん(41)に、現状やアドバイスを聞きました。
-不登校になる理由は?
「きっかけは、先生に怒られたとか、友だちとけんかしたとか、親の何気ない一言とかだったりします。でも、そこに至るまで、自分の中で処理しきれない『いろんなもの(要因)』がたまっていて、最後、コップの水があふれるようになる。どうして不登校になったのか、言語化できる子どもは少ないです。理由が説明できないことも、悩みの種になります」
「親や先生は必死になるあまり、子どもが一つ理由を話すと『話してくれた!これで解決できる』と飛びつくけれど、そんなに単純ではありません。人間関係だったり、学校のシステムが合わなかったり、いろいろあって不登校になる。例えば、いじめをしていた生徒とクラスが分かれても、勉強が苦手とか、先生が…とか、ほかの要因が積み残しのままだと、学校に戻っても続きません」
-大人はどうすれば?
「ゆっくりと、子どもの気持ちを聞くことです。何がしんどくて、何が楽しいのか-。話を聞く前から答えを用意していたり、『なんで?』と聞いたり、評価したりするのではなく、この子の中に答えがある、と信じて待つ。自分と向き合い、言語化し、納得して進めるようになるには、1~3年はかかると思います」
「子どもにとっては学校、家庭、友だちの三つがほぼ世界の全て。学校や友だちのコミュニティーがなくなり、家も安心できないと、『生きていてもつらい』と思考停止になってしまう。せめて家庭では話を聞き、いてくれているだけでいいと、緩やかに待ってほしいです」
「不登校とはいったん待避して、自分を守っている状態だと思います。傷ついて、自分の中のバネが伸びきってしまっても、一緒に巻く人がいれば、子どもにはまた伸びる力があります」(聞き手・中島摩子)








































