「生きヘタ?」ニュース
■「引きこもり」について一般社団法人「いきがいさがし」の岡本康子代表に聞きました
8月のテーマは「引きこもり」です。引きこもりの長期化や高齢化、家族の孤立が社会問題になる中、「兵庫ひきこもり相談支援センター・阪神ブランチ」を運営する一般社団法人「いきがいさがし」(西宮市)の岡本康子代表(45)に、当事者の苦しみや必要な支援について聞きました。
-引きこもりの当事者とは?
「きっかけは不登校や仕事のストレスだったりして、気が付いたら10年という人もいます。いったん社会のレールから外れると、『どこに戻ったらいいか分からない』『何から始めたらいいか分からない』…と」
「働かないことを選んだわけじゃなく、働く選択ができないのだと感じます。勤務経験が少なかったり、コミュニケーションが苦手だったりすると、働くハードルはとても高い。それで、家にいる選択肢しかなくて家にいる。みんな悩み、苦しんでいることを知ってほしいです。現状に罪悪感を抱き、『生きる意味が分からない』『早く人生を終わらせたい』という声も聞きます」
-西宮市名塩山荘の一軒家で、当事者の居場所「necoris(ネコリス)」を開いていますね。
「当事者は何もできない人じゃないです。でも、仕事が見つからなかったり、ふらっと行ける場所がなかったりして、『何もしないこと』をさせられている、と思います。人と出会ったり、体験したりする居場所がもっと増えたらいいと思います」
「ネコリスでは1日ごとに、調理や音楽、ヨガ、内職、ボードゲームなどの予定を組んでいます。無理して会話しなくてもいいです。時間を一緒に過ごすことに意味がある。1回では変わらないけれど、積み重ねが大事です。ここで体験したことが、やりたいことが見つかるきっかけになるかもしれない。人との出会いで何かが生まれるかもしれない。居場所で一緒に作戦会議をしながら、生きる意味が見つかればいいと願います」(聞き手・中島摩子)
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引きこもりの当事者、家族、支援者らの交流会「こもりむしの会」が8月5日午後1時~2時半、宝塚市中野町の「くらんど人権文化センター」で開かれる。参加費100円。定員15人。
「出張居場所こもりす~芦屋の会」が9月22日午前10時半~午後3時半、芦屋市精道町、市役所分庁舎2階大会議室で開かれる。無料。定員25人。
いずれも申し込みは「いきがいさがし」TEL050・3749・1227