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■うつ病などから復職する際の注意点などを「けいふう心療クリニック リワークセンター」の鎌田雄輝医師らに聞きました

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「休職をきっかけに自分を見直すことができれば、生きづらさが和らぐことにもなります」などと話す鎌田雄輝さん(右)と川口準也さん=姫路市西今宿3
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「休職をきっかけに自分を見直すことができれば、生きづらさが和らぐことにもなります」などと話す鎌田雄輝さん(右)と川口準也さん=姫路市西今宿3

 11月は、休職や復職にまつわる生きづらさがテーマです。うつ病などで休職中の人の職場復帰を支える専門機関「けいふう心療クリニック リワークセンター」=姫路市西今宿3=の医師、鎌田雄輝さん(32)と臨床心理士の川口準也さん(39)に、休職中にすることや復職後の注意点などを聞きました。

 -休職をどう捉える?

 川口さん「休むことは逃げることではなく、いったん回避することだと考えます。そして、走って上ってきた階段の踊り場で自分を見つめ直す時間、と位置付けています」

 -休職中は?

 鎌田さん「普段の生活ができるまで回復すれば、復帰に向けた準備が始まります。まずは、自己分析が必要不可欠です。最初は『あの人が悪い』『システムが悪い』など、職場の外的要因ばかりに目が向き、自分の要因に目が向かないことが多いです。休職中に自分を見つめ直す中で、自分はどういう人間なのか、考え方の癖や行動様式などを知ることが大切です」

 -「考え方の癖」とは?

 川口さん「人と比べるとか、全体的に情報収集せず一部に焦点をあてて評価するとか、『いつもダメ』『全部ダメ』と考える-とかです。自分の考え方が自分を苦しめていることがあり、そのことに気づいて、物の見方の幅が広くなれば、ストレスがかかりにくい場面が増えていきます」

 -復職後は?

 川口さん「ブレーキの踏み方が難しいという声を聞きますが、100%の力でやる短距離走ではなく、フルマラソンのつもりで、60~70%の力で長く走るイメージを持つことが大切です。こうなったら黄信号、赤信号などとストレスのサインを知り、1週間に1度でも振り返る時間が必要です」

 -周囲は?

 鎌田さん、川口さん「ストレスがかかるかもしれないからこの仕事はさせない、などと周囲が臆測で決めるのではなく、本人と一緒に評価しながら進めていくことが大切です。また、本人は見通しが持てないと不安になるので、1日や1週間の仕事内容や過ごし方を、本人と共有するのがいいでしょう」(聞き手・中島摩子)

 

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