「生きヘタ?」ニュース
■プレッシャーとの付き合い方について順天堂大スポーツ健康科学部客員教授の荒木香織さんに聞きました
「生きるのヘタ会?」の1月のテーマは「プレッシャー」です。2012~15年にラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた順天堂大スポーツ健康科学部客員教授の荒木香織さん(スポーツ心理学)に、プレッシャーとの付き合い方などを聞きました。
-プレッシャーとは?
「そもそもプレッシャーは、自分が勝手に作り出しているものです。『プレッシャーと戦う』という言い方がありますが、戦わないといけないなら、作らないようにすればいいんです」
-どうすれば?
「プレッシャーを『分解』することです。技術面の不安からきているのか、周りの環境に関することなのか。プレッシャーを漠然とした不安のままにせず、なぜそう思うのか、原因を洗い出し、一つずつ対処法を探していきます。本番に体が固まってしまったら、その時点でできることはもうありません。事前の準備で、不安の原因を明らかにしておくことが大事です」
-できることとは。
「プレッシャーのすべてが悪く作用するわけではありません。脅威と受け止めるとストレスですが、挑戦と考えれば前向きに取り組む原動力にもなり、自分の受け止め方次第といえます。『失敗したらどうしよう』と考える自分に気づいたら、『思考停止法』を用い、そのネガティブな思考を止めましょう。また、『相手が強かったらどうしよう』と考えたところで、相手をコントロールすることはできません。自分でコントロールできることと、できないことを明確にしておくことが大切です」
-ほかには?
「パフォーマンス向上のためには自分自身を知り、何がしたいのか、何のためにそれをするのかという大義を持って、練習に取り組むことが大切です」
(聞き手・中島摩子)