お迎え当初、生後推定1カ月半の元気くん。あどけない表情がキュート(画像提供:MOTOさん)
お迎え当初、生後推定1カ月半の元気くん。あどけない表情がキュート(画像提供:MOTOさん)

「10年前…ひどいペットロスだった私達夫婦を救ってくれた希望の子。これからも健康&長生してくださいね」

そんな言葉とともにXに投稿されたのは、キジ白の男の子「元気」くんの写真。10歳の誕生日を迎えたばかりです。投稿したのは、XユーザーMOTOさん(@rinlovetama)。元気くんと出会った当時は、先住猫3匹を続けて亡くしたばかりで、心に深い傷を負っていたといいます。

悲しみに暮れていた夫婦の前に現れたのは、わずか生後推定1カ月半の小さな命でした。再び笑顔をくれた“運命の出会い”ーー飼い主さんに、当時のことや今の想いを聞きました。

■涙の日々に光をくれた小さな命

ーー当時の状況について教えてください。

「当時、立て続けに病気や老衰で3匹の猫を見送りました。私達夫婦は酷いペットロスで心を病んでおりました。1匹は糖尿病で3カ月の闘病の末に、もう1匹は脳腫瘍であっという間に、さらに1匹は21歳で老衰でした。予防注射や定期検診、フードなど、健康管理には気をつけていたのですが、突然の病で失うという現実に打ちのめされて…。命の儚さと恐怖にとらわれ、深刻な状態でした」

ーー元気くんとの出会いはどのようなものでしたか?

「たまたまネットの里親募集で子猫を見かけて、久しぶりに『かわいいな』と笑みがこぼれたんです。その夜、夫と話していると、偶然、同じ子猫の写真を見ていたことがわかりました。それが元気でした。『もう決まっているかも』と思いながらも保護主さんにメールをしたところ、『譲渡の話が立ち消えになったばかりなので、明日会ってみませんか』と返事がきて。夫婦で会いに行くと、元気は『僕を連れて帰って~』と鳴き続けていました。抱き上げた瞬間、愛らしさと命の重みに胸がいっぱいになり、思わず泣きそうになったのを覚えています。すぐにお迎えすることになりました」

ーーお迎え後の様子はどうでしたか?

「我が家には先住猫たちがいたのですが、元気は威嚇されることもなく自然に受け入れられました。トイレもすぐに覚えて、粗相もなく、本当に手がかからない子です。翌日には家の中を走り回ってヘソ天で爆睡していました。亡くなった子が好きだった場所で眠ったり、その子と仲良しだった猫と一緒に過ごしたりする姿を見て、『もしかして生まれ変わりかも』と思ったこともあります」

ーー印象に残っている出来事はありますか?

「元気は扉や箱のフタを軽々と開けてしまう子なので、開けられたくない場所には鍵やテープで対策していました。ですが一度だけ、外出時に引き戸窓の鍵をかけ忘れてしまったんです。案の定、元気が窓を開けてしまい、猫たち全員が脱走…。帰宅後は家族みんなで走り回って捜索しました。でも、元気だけは名前を呼ぶとすぐに帰ってきたんです。それ以来、脱走対策を見直し、ハプニングは防げるようになりました」

ーー元気くんの性格を教えてください。

「温厚で頭が良くて、甘えん坊。とても健康で、手のかからない優等生です。いたずらもしますが、憎めないかわいさがあります。普段はクールですが、おやつのときだけは猫なで声で体をくねくね…。朝ごはん前になると、寝ている私たちの顔を舐めて起こしにくる“目覚まし猫”でもあります。亡くなった子たちから命の大切さを教わったように、元気には、これからもずっと元気でいてほしいという願いを込めて名づけました」

ーー元気くんへメッセージをお願いします。

「元気が生まれてくれたことで、また笑える日々を過ごせるようになりました。出会いには特別な運命を感じています。『小さな背中に笑顔や希望を背負って来てくれてありがとう』そして『希望の子、元気くん。これからも健康で長生きしてください』と伝えたいです」

リプ欄には、10歳の誕生日を迎えた元気くんへの祝福メッセージが数多く寄せられています。

「ベビ期もかわいい。希望の子、尊いですね」
「10歳のお誕生日おめでとうございます」
「素敵なご家族と楽しい1年になりますように」
「これからも、ずっとずっと健康で、毎日元気に楽しく過ごしてね」
「元気ちゃんHappyBirthday! これからも楽しい猫生を謳歌できますように」
「そうだったんですね。素敵な出会いがあって、かけがえの無い存在ですね」
「ご夫婦にとって大切な存在なんですね。これからも健やかに幸せな毎日でありますように」
「これからも元気いっぱい素敵なニャン生を楽しんでください。パパさんママさんをこれからも癒やし続けてください。ご褒美はたくさんもらってね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)