神戸市の配水管工事の現場。老朽化による更新費用は各自治体の水道事業を圧迫している=同市兵庫区(神戸市提供)
神戸市の配水管工事の現場。老朽化による更新費用は各自治体の水道事業を圧迫している=同市兵庫区(神戸市提供)

 兵庫県内の市町で、水道料金の値上げが相次いでいる。2020年度以降に値上げを実施済み、または予定するのは、全41市町のうち約4分の1に当たる11市町で、背景には人口減少による料金収入の低下や施設の老朽化がある。1月の能登半島地震では水道施設の災害対策も改めて課題となり、専門家は「小規模な自治体ほど単独経営は限界が近い」と警鐘を鳴らし、事業の広域化を提言する。

 「何も手を打たなければ25年度には赤字に転落する」。10月に27年ぶりの値上げを行う神戸市水道局の担当者が台所事情を明かす。