阪神・淡路大震災の発生から17日で26年となるのを前に、兵庫県東播地域の一部小中学校で15日、関連行事が開かれた。被災直後の食事が給食で再現され当時に思いをはせたほか、将来の災害発生時にどう対応するかを想定する授業もあり、子どもたちが備えの大切さについて考えた。
■浜の宮中 避難や備蓄、生徒ら討議
加古川市別府町新野辺の浜の宮中学校では、南海トラフ巨大地震発生時の被害を想定し、どう対応するかを考える授業があった。全校生765人が計22の教室ごとに参加。生徒会本部役員が各クラスで教諭役を務めて議論をリードし、命を守る行動について積極的に意見が交わされた。
2年2組の授業では、生徒会本部文化委員長の谷魁人(かいと)さん(14)が教諭役として黒板の前に立った。生徒33人は阪神・淡路大震災発生時に阪神高速が横倒しになった映像を見て、当時の惨状に触れた。
続いて、学校の授業中に南海トラフ巨大地震による震度6弱の揺れに襲われた-との想定で、発生直後から数週間の間にどのような被害が起き、どう対応するかについて話し合った。
生徒は想定シートに「火災など二次災害が発生」「周囲の様子を見て困った人を助ける」などと書き込んでいった。口頭での発表もあり、津波が襲ってくる場合は高所に避難することも提案された。谷さんは避難場所の確認や食料備蓄の大切さを指摘し、「自分の命を守ることを最優先に考えた上で、自分ができることをどんどん探ってほしい」と締めくくった。(笠原次郎)
■小学校で非常食給食 備えの大切さ実感 稲美町
稲美町の小学校5校では、5、6年生が、湯を注いで作るアルファ化米や乾パンの給食を食べ、備えの大切さを非常食で学んだ。
同町では毎年、震災発生当日の1月17日か前の給食で、児童がおにぎりを作り、豚汁など避難所で提供されていたものをメニューに採用。今年は新型コロナウイルスの感染拡大でおにぎりを作れないことから、天満小(同町国岡)の栄養教諭(48)が、町の備蓄品で賞味期限が迫るアルファ化米を使うことを発案した。
この日出されたのは、アルファ化米の「きのこご飯」。天満小では、5、6年生の給食当番が袋に入った米に湯を注いだ。約15分後に出来上がると、子どもたちがおいしそうに頬張った。男児(11)は「普段のお米と同じぐらいおいしくて、開発者はすごいと思った。地震が起きたら、率先して周囲の人を手伝いたい」と話した。(門田晋一)
