東京五輪から正式種目となるスポーツクライミングの本格的なジムが、兵庫県加古川市加古川町北在家にオープンした。高さ4・5メートルの壁など難易度の異なる9種類が約40メートルにわたって築かれ、県内有数の規模。公式大会も開ける。子ども向けの教室では、競技人口の拡大に力を入れ、五輪選手の輩出を目指す。(笠原次郎)
「ハイマートベルククライミングジム」。ハイマートベルクはドイツ語で「故郷の山」を意味する。2010年に同市加古川町平野で開業し、今月8日の移転オープンで規模を拡大。隣には同じ運営会社が営む山岳用品店がある。
鉄骨2階建てで、壁が連なる1階は広さ約260平方メートル。85度から153度まで傾斜の異なる壁に「ホールド」と呼ばれるカラフルな突起物が並ぶ。壁の板などをつかんで上半身だけの力で上り下りする「トレーニングスペース」は、8種類あって充実。2階には観覧スペースや更衣室があり、屋上はジムの催しや大会開催時の選手の待機場所としても使える。
総工費は約1億円で、スタッフ3人が利用者をサポート。会員の自動車整備士、男性(46)=同市=は「登れたときに達成感がある。幅広い年代の人と知り合えるのも魅力」と話す。
小中学生の教室は壁の高さが3メートルで、3月3日に開校。運営会社の加藤唯社長(41)は趣味の山登りに関わる仕事をするため飲食業界から転身したといい、「加古川からオリンピック選手を輩出したい」と意気込む。
小学2年以下のクラスは月額6600円(税込み)。大人向けの初心者体験パックは平日なら3時間で2750円(同)。午前9時~午後10時。月曜定休。同ジムTEL079・490・2718
