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完成した介護ロボット「ふくちゃん3号」をアピールする森和明社長(右)ら=加古川市加古川町北在家、富士コンピュータ
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完成した介護ロボット「ふくちゃん3号」をアピールする森和明社長(右)ら=加古川市加古川町北在家、富士コンピュータ

 ソフトウエア開発などを手掛ける富士コンピュータ(兵庫県加古川市加古川町北在家)が、東日本大震災で被災した福島県南相馬市で開発してきた介護ロボットを完成させた。犬の縫いぐるみ型で、人工知能(AI)を活用し、介護が必要な高齢者の趣味などを学習しながら会話もできる。開発に2年以上かけたロボットは愛らしいたたずまいで、同社は「高齢者の癒やしにもなってほしい」と願う。(千葉翔大)

 介護ロボットは高さ38センチ、重さ約1・5キロ。開発地の福島県にちなんで「ふくちゃん3号」と名付けた。帽子にはカメラが取り付けられ、利用者の表情やしぐさを認識して手を上げたり、首をかしげたりし、童謡も歌えるという。

 会話のバリエーションも豊富。利用者が「天気が良いね」と話せば「散歩でもどうですか」と提案し、「つえがなくても歩けた」と言えば「頑張りましたね」とねぎらってくれる。

 同社が介護ロボット開発に乗り出したきっかけは、森和明社長(70)が2011年から5年間経験した母親の在宅介護。通所施設から帰宅した母親の言葉に耳を傾けながら、会話の重要性を実感。在宅でみとった後、経験を踏まえ、ロボットの力で介護の負担を軽くしたいと思い立った。

 ロボットの開発拠点には、東日本大震災で被災した地域の力になろうと、南相馬市を選んだ。森社長は「(介護ロボットの開発に)社運を懸けた」と振り返る。社内では異論もあったが、18年秋に研究所を進出させ、現地採用の技術者を含め計20人のプロジェクトチームを結成。高齢者が聞き取りやすい会話のスピードや声の大きさについて、大阪大の学識者から助言も受けた。

 研究開発には約2年半の歳月と、開発費約3億円を投じた。さらに今月10日には同県浪江町の工場跡地に、介護ロボットの製造と、ネット通販の物流センターを開所した。震災と東京電力福島第1原発事故で打撃を受けた同県浜通りの産業復興に引き続き携わる。

 森社長は「少子高齢化が進み、ロボットによる介護支援は急務だと思う。高齢者の孤独感の解消や、認知症の予防にも役立ててほしい」と話す。

 1台27万5千円(税込み)。利用には無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」などのネット環境が必要。必要な機器は同社が月額5千円で貸し出す仕組みもある。同社TEL079・420・2020

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