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パン販売最後の日。「今までありがとうございました」と声を掛けて購入する生徒もいた=浜の宮中学校
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パン販売最後の日。「今までありがとうございました」と声を掛けて購入する生徒もいた=浜の宮中学校
購買の従業員に感謝状を手渡す生徒会役員ら=加古川中学校
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購買の従業員に感謝状を手渡す生徒会役員ら=加古川中学校
加古川中学校で購買を始めた31年前を振り返る田中すみ子さん=加古川市
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加古川中学校で購買を始めた31年前を振り返る田中すみ子さん=加古川市

 兵庫県加古川市内の4中学校で、9月の給食開始に合わせ、数十年続いてきた校内でのパン販売が7月で幕を下ろした。別の4中学校でも昨年廃止されており、パンを販売する中学校はなくなった。弁当を用意できない生徒の昼食を支えてきたが、その役割を終えた。(斉藤正志)

 「約50年間にわたり、浜の宮中学校の生徒のお昼のひとときを、おいしいパンで支えていただきました」

 19日、浜の宮中学校(別府町新野辺)。生徒会役員が、最後のパン販売となったマルヨシ製パン所(尾上町口里)の従業員らに感謝状と寄せ書きを手渡した。

 同校では、同社のワゴン車が体育館横に訪れ、昼休みに多彩なパンを販売。かつてはパンを選べたため、昼休みに生徒が先を争って買いに行く姿が見られたという。近年は2日前に注文を受け、4個入り(450円)と3個入り(300円)を販売していた。

 最終日は約100人が列をつくった。同社は小学校の給食のパンも作っており、3年生の女子生徒(15)は「小学校から長い間、食べてきたパンの販売がなくなるのは寂しい」としんみり。同社の山本憲治製造部長(58)は「おいしいと言ってもらえて、最後に感謝状までもらえて感激した」と話した。

 同市では全12中学校での給食提供を計画。神野台学校給食センター(神野町神野)が完成し、9月に実現する。新たに給食が始まる浜の宮、加古川、中部、別府の4中学校では、7月を最後にパン販売をなくした。昨年9月から6中学校で給食を始めた際も、パンを販売していた4校が廃止していた。

■加古川中は購買も廃止 生徒会が感謝状贈る

 加古川中学校(加古川町備後)では、パンや文房具を31年間販売してきた校内の購買が今月9日で廃止になり、生徒会が従業員に感謝状を贈った。生徒会長の川野翔大(しょうた)さん(15)は「文房具を忘れて、ピンチを乗り切ったこともあった。母も加古川中出身で購買にお世話になった。歴代生徒の思いが詰まった購買が閉じるのは残念」と話す。

 同校の購買は1990年、元PTA副会長の田中すみ子さん(80)=同市=が、同校の依頼を受けて始めた。生徒の登校時に注文を受け、マルヨシ製パン所に連絡。届いたパンを渡した。文房具なども卸業者から仕入れ、校舎の一室で販売した。

 従業員を2人(2018年から1人)雇い、自身は運営に注力。利益は出ず、「ボランティアだった」と田中さん。学校側から飲み物は牛乳だけにしてはどうかと提案されたこともあったが、「お昼くらい、子どもたちに楽しんでほしかった」とジュースをメニューに載せ続けた。

 田中さんは「購買がなくなるのは寂しいけど、給食になって、栄養バランスが取れた昼食を取ってもらえるようになるのはうれしいですね」と笑顔を見せた。(斉藤正志)

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