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福原正人さん
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福原正人さん

 手元のフォトフレームの中で、ふくよかな男の子が満面の笑みをたたえる。4年前に7歳で亡くなった次男、夢生(ゆうせい)君だ。自身の講演などの外出時、夢生君に似た「ビリケンさん」の縫いぐるみと一緒に、笑顔の写真を連れて行く。

 夢生君は生後すぐに起きた脳内出血で、脳性まひになった。寝たきりだった彼から教わったたくさんのことを、研修などの講師として福祉関係者らに伝える。今春、兵庫県加古川市役所を退職。社会福祉法人で臨時職員として働きながら、障害者事業所に助言し、前祝いをして夢を引き寄せる「予祝(よしゅく)」を広めることも目指す。自らが「夢を持っていきいき生きられる」道を歩む。

 夢生君は2010年7月、566グラムで出生。両手に収まるほどのわが子に初対面し、「生きてて良かった」と安堵(あんど)した。だが生後3日目で容体が急変。命は取り留めたが治療が続き、入院生活は年を越した。退院後も、ミルクや内服薬を数時間おきにあげる毎日の介助や、医療機器を伴っての外出には体力を要した。

 それでも、障害を嘆いたことはなかった。「こういう子の存在をどんどん知らせよう」と、どこへでも連れて行った。名前を呼ばれたり、鼻を触られたりすると笑う夢生君。多くの人に愛された。

 未来は、突然断たれた。誕生日を迎えたばかりの夜、何らかの原因で呼吸補助具が外れ、朝には亡くなっていた。死に接して浮かんだのは「今まで多くの試練を与えてくれた夢生は、なお何かを学べと言っているのか」との問い。悲しみは後からやってきた。

 障害は身体にあるのではなく、夢生君らが生きる社会にある。死自体に意味はなく、意味を付ける自由は自分にある-。教わったことは数知れない。今も魂をすぐ近くに感じ、講演前には「楽しんでいこう」と心の中で呼び掛ける。「もっと夢生と一緒に講演したいし、夢をかなえる人を増やしたい」。夢と共に生きていく。(広岡磨璃)

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