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OAAはりまハイツの本館を改修し、新施設「ON THE HILL」の開設準備を進める岡本亮さん=日岡山公園
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OAAはりまハイツの本館を改修し、新施設「ON THE HILL」の開設準備を進める岡本亮さん=日岡山公園
「ON THE HILL」の外観(イメージ図も岡本亮さん提供)
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「ON THE HILL」の外観(イメージ図も岡本亮さん提供)
「ON THE HILL」館内(イメージ図も岡本亮さん提供)
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「ON THE HILL」館内(イメージ図も岡本亮さん提供)

 兵庫県加古川市加古川町大野、日岡山公園内の宿泊研修施設「OAAはりまハイツ」が3月にも、景色が楽しめるカフェレストランを備え、創意工夫に富む人々が集まるビジネスや学びの拠点として生まれ変わる。新施設を手掛けるのは同公園の近くで育ち、今も暮らしている現代アーティスト岡本亮さん(45)。「環境、景観を生かし、『自然と文化』を体感できる場にする」と意気込む。(広岡磨璃)

 ハイツは、とんがり屋根の食堂を備えた本館(地上3階地下1階建て、延べ床面積約1900平方メートル)と、屋上に展望台がある別館(3階建て、同約450平方メートル)との2棟から成る。新施設「ON THE HILL(オン・ザ・ヒル)」は本館を改修、オープンする。

 岡本さんは、園芸・防犯用品メーカー「ムサシ」(同市)のデザイン責任者。幼い頃から日岡山に親しみ、同社で公園を会場に朝市や夜市を開く中、「眠っている日岡山の価値を高め、市民に提供したい」と決意。行政関係者に訴え、ハイツの活用にこぎ着けた。1年半かけて構想を練り、昨年12月に着工した。

 1階のカフェレストランからは公園と市南部、播磨灘が見渡せる。「この景色が何よりのごちそう」と、バルコニーの手すりを撤去し、見晴らせるよう改良中。デザイナーや職人らのビジネス交流、野外活動、学びの場も構想する。

 ハイツは、神戸市中央区の一般財団法人「野外活動協会」(OAA、理事長=片山安孝副知事)が運営。県や神戸市、神戸新聞社などの提唱で1960年に設立された同協会が、68年に建設した。野外活動を特色とした企業研修や生涯学習の拠点で、ピーク時は年間1万人が利用したが、近年は4千人前後に。新型コロナウイルス感染拡大後はさらに落ち込み、建物の老朽化も課題だった。

 新施設は、ムサシが同協会にハイツの使用料を支払い、運営する。協会の清水勲夫専務理事(70)は「勤労青少年の非行防止に始まり、ハイツは社会的役割を果たしてきた。路線を受け継ぎつつ、建物に新たな機能を与えてくれることを期待している」と話す。

 新施設開業に向け、働き手や利用者など、一緒に場を育てていく仲間を募集中。詳細は写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウント「onthehill_hioka」で発信している。

     ◇

■環境に負荷かけず美観創造 残土や廃材改修素材に

 新施設開業のためにOAAはりまハイツ本館で進められている改修工事で、岡本さんがこだわるのは、環境に負荷をかけず、それでいて美しい景観をつくり出すことだ。「がれきを積んだダンプを極力、敷地から出さない」ようにして、残土や廃材も素材に使う。

 「景観に資する建築物は、その土地の素材でできている」。海外を渡り歩いた岡本さんの実感だ。遠くで作られた物を買って運ぶのではなく、既にある物を活用すれば、排ガスとごみを削減でき、コストも抑えられる。この考え方は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の趣旨にも沿っていると気付いた。

 のり面にあった石垣は、玄関を装飾する積み石に。レストランの床はカーペットを除去し、むき出しの下地の風合いを生かす。元あったプールは残土で埋め、なだらかな斜面を造成。訪れた人が自然に腰掛けるよう計算し、イベント会場としての活用も見込む。(広岡磨璃)

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