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休日には多くの人が車で訪れるJA兵庫南の直販所「にじいろふぁ~みん」=稲美町六分一
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休日には多くの人が車で訪れるJA兵庫南の直販所「にじいろふぁ~みん」=稲美町六分一
道の駅の設置案が浮上していた権現総合公園=権現湖パーキングエリアから撮影
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道の駅の設置案が浮上していた権現総合公園=権現湖パーキングエリアから撮影
県内各地に道の駅が点在するが、東播地域には全くない(国土交通省近畿地方整備局ホームページ近畿道の駅より引用)
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県内各地に道の駅が点在するが、東播地域には全くない(国土交通省近畿地方整備局ホームページ近畿道の駅より引用)

 車やバイクでの旅の途中、つい立ち寄りたくなるのが「道の駅」だ。最近は休憩だけでなく、各地の観光情報やお土産、グルメも堪能できる施設となっている。全国に1194カ所、兵庫県内に35カ所あるが、東播2市2町には一つもない。利用者に、まちの魅力を発信する施設がないのはちょっぴりさみしい気もする。なぜなのか。事情を探った。(門田晋一)

 ■都市部は不要?

 「県内は神戸と阪神地域は少ないですが、県中部や北部は多くなります」。近畿の道の駅を管轄する国土交通省近畿地方整備局の担当者は、そう解説する。県内にある道の駅の数は、旧五国では、播磨14カ所▽但馬12▽淡路4▽摂津3▽丹波2。播磨では西・北部の9市町に、但馬は全5市町にそれぞれ道の駅がある。一方摂津は、六甲山北側の神戸市北区の2カ所、猪名川町の1カ所で、都市部にはない。

 この傾向を高砂市の担当者は「都市部はコンビニなど休憩できる商業施設が多く、道の駅の必要性が低いのでは」と分析する。そんな同市では数年前まで物産や観光情報などのPR拠点になるとして道の駅に関心を示していた。

 ■消えた構想

 高砂市は2016年、道の駅担当の課長級ポストを設けた。検討委員会を立ち上げ、候補地を、明姫幹線南側の市街化調整区域▽山陽電鉄高砂駅南側の商業施設「サンモール高砂」跡地▽高砂市阿弥陀町の竜山石の採石場周辺▽同町阿弥陀の阿弥陀交差点周辺-の4カ所に絞った。

 民間企業が設置・運営する方向で模索したが、国からは用地確保や企業撤退後の運営などを市が担うよう求められたという。担当者は「公共施設を削減する流れの中で、新たな施設への税金投入は理解を得られない」とする。さらに同市の場合、夜間の騒音も懸念され、年間通して地元の農作物を安定的に販売できるかなど不安材料が山積。20年、計画を断念した。

 ■有効手段だが…

 加古川市も一時期、権現総合公園(同市志方町野尻、平荘町中山)での道の駅開設を模索した。同市は1994年、日本道路公団(現西日本高速道路)と基本協定を締結。高速道路に隣接し、物産館や公園などを集約した施設「ハイウェイオアシス」の設置を計画した。97年の山陽自動車道全線開通に伴う権現湖パーキングエリア供用開始に合わせ、一般道からも利用できる施設建設を目指した。

 だが長引く不況で計画はストップ。そんな中、2016、17年度、同公園整備の一環として民間資金活用を検討する中で、道の駅が案の一つに上がった。ただ施設の建設費用の回収が困難と判明し、立ち消えに。21年度、暫定的に同公園内に設けたキャンプ場を閉鎖し、子ども向けの大型遊具と自転車愛好家の休憩所を設置する方針を固めた。

 同市担当者は「地域活性化にとって、道の駅は有効な手段の一つ。今後の経済状況やニーズをくみ取り、別の場所で設置するという議論が起こる可能性はあるかもしれない」と話す。

 ■6次産業の発信地に

 JA兵庫南(加古川市)は15年、稲美町六分一の天満大池の埋め立て地に近畿最大級の農産物直販所「にじいろふぁ~みん」をオープンした。生産、加工、販売を一貫して手掛ける「6次産業化」の拠点で、現在は年間40万人が訪れ、東播地域有数の集客力を誇る。この場所にも、かつて道の駅の計画があった。

 02年3月、同町は町内にある農園での収穫体験や作物の加工体験などを通じ、町域を農業公園に見立てる計画「グリーン・ツーリズム事業構想」を立ち上げた。その拠点として、総合交流施設や野菜直販所、レストランなどを道の駅に整備する方針を示した。しかし当時の有識者らによる検討委員会は、事業の採算性などを疑問視。町はわずか8カ月後に計画を縮小し、翌月には白紙撤回した。

 それから10年以上が経過。埋め立て地を活用したい町と、6次産業の実現に向けて店舗をオープンしたいJAとの思惑が一致し、にじいろ-の開店につながった。同町担当者は「道の駅があればどうなっていたか分からないが、にじいろ-が地域を盛り上げている」と話す。

 ■駅は海にも

 残る播磨町はどうか。町職員は「道の駅の発想は、そもそもなかったのでは」と話す。同町の面積は県内で最も小さい9平方キロしかなく、住宅が増えたこともあって道の駅の構想は出なかったのだろう。

 道の駅ではないが、「海の駅」の話はあった。同町は00年、人工島と住宅地との緩衝地となっている臨海部を活用する「町ウオーターフロント整備基本計画」を掲げた。ホテルや人工の浜辺などを整備する中で、船で町に訪れた人が水の補給や休憩する施設として「海の駅」設置を目指した。ただ町は、同計画の事業費が300億円と膨大になると概算。計画を凍結した。

 いずれの計画も費用対効果が壁となり、東播地区の道の駅は実現していない。全国には不採算の道の駅もあり、代用できる他の施設が多くあるというのも、東播らしさの一つなのだろう。

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