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真っ黒い体のトノサマバッタ(樋上和子さん提供)
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真っ黒い体のトノサマバッタ(樋上和子さん提供)

 全身が真っ黒いバッタを、兵庫県稲美町の自営業樋上和子さん(54)が見つけた。専門家によると、周囲の環境に合わせて黒くなったとみられ、通常の緑や茶色よりも数が少ないという。樋上さんは「見せてあげた子どもたちも喜んでくれた」と声を弾ませる。

 バッタは体長約3センチ。樋上さんは7月19日午後5時ごろ、自宅の畑でスイカの葉の上で体を休めるバッタを見つけた。「コオロギか」と手に取ると、体のつくりがトノサマバッタに似ていた。スイカの近くには赤ジソを植えており、「もしかして赤ジソを食べたバッタが黒くなったのかもしれない」と知人を通じて、神戸新聞東播支社に連絡した。

 県立人と自然の博物館(三田市)の山田量崇(かずたか)主任研究員(44)によると、このバッタはトノサマバッタの幼虫だといい、「緑や褐色の個体がほとんどだが、まれに黒色が現れることがある」とする。

 脱皮の度に色が変わるバッタの体色を決める主な要因に、周りにいる仲間の数と周辺環境がある。仲間が少ない場合は、周辺環境に合わせて体を外敵から守る保護色に変える。一方、仲間との密度が高い場合は体が黒っぽくなる上、オレンジ色のラインが入る。

 今回は保護色で、黒っぽい土の色に反応した可能性があるという。山田主任研究員は「周囲の環境の色に反応し、体色を黒くするホルモンが働いたのだろう。もう一度脱皮すれば、また色が変わるかも」と話す。ちなみに赤ジソによる影響を尋ねたが、「食べたものによって色が変わるわけではないので、関係ないですね」。

 樋上さんは「人生で初めて黒いバッタを見たので驚いた。環境によって体色が変わることが分かり、勉強になりました」と話した。(門田晋一)

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