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台船に積み込まれた大型旋盤=きしろ播磨工場
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台船に積み込まれた大型旋盤=きしろ播磨工場

 旧日本海軍が製造した世界最大の戦艦「大和」の46センチ主砲の砲身を削り出した巨大旋盤が1日、広島県呉市の大和ミュージアム(同市海事歴史科学館)に輸送するため、所有する金属切削加工会社きしろ播磨工場(兵庫県播磨町新島)などで船に積み込まれた。2日に兵庫を後にし、4日には69年ぶりに呉の土を踏む予定だ。

 旋盤は全長約20メートル、高さ約5メートル。ドイツ製で1938年に呉海軍工廠(こうしょう)に配備。53年に神戸製鋼所高砂製作所(兵庫県高砂市)に払い下げられ、96年以降は同工場で大型船舶用プロペラ軸の加工などを担い、2013年まで稼働した。21年には輸送や保存に向けた寄付金約2億7千万円が集まった。

 この日の作業では、いったん解体された旋盤の部品に取り付けたワイヤに緩みがないか、きしろ社員が確認。慎重にクレーンで台船に載せた。その後、新島内の他の会社に移動して貨物船に載せ替えた。

 4日に呉市で陸揚げし組み立てる。22日に同館敷地内の台座に設置。その後展示施設の建設が始まり、来年3月に一般公開される。

 同館の杉山聖子学芸員(43)は「作業に立ち会い、旋盤が呉にやってくる実感が湧いた」。同社の松本好隆社長(53)は「旋盤は戦後の造船業を支え、会社にとって貴重な戦力だった。呉では日本の工業力の高さを伝えてほしい」と話した。(門田晋一)

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