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11月末閉店を知らせるチラシが張られたスーパー「かぴまーと」=加古川市加古川町篠原町
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11月末閉店を知らせるチラシが張られたスーパー「かぴまーと」=加古川市加古川町篠原町

 JR加古川駅南のカピル21ビル(兵庫県加古川市加古川町篠原町)の地下1階で長年営業してきたスーパー「かぴまーと」が、今月末で閉店する。同ビル建設前にあった「加古川駅前市場」の商店主らが、入居後に一念発起して1996年に創業。駅前の好立地で人気を呼んだが、近隣への大型スーパー進出などで客足が遠のいたのが響いた。愛用してきた客からは惜しむ声が聞かれた。(増井哲夫)

 関係者によると、駅前市場は戦後間もない1948年3月、現在の同ビルの場所に開設され、86年には43店が営業していた。駅前再開発により89年9月、そごうを核店舗とする同ビルが開業し、駅前市場などの約25店が地下1階に入った。

 当初は「そごう効果」で各店ともにぎわったが、次第に売り上げが減り、半数近い店が撤退した。打開策として、スーパーへの業態変更を検討。96年、賛同した精肉店や鮮魚店、八百屋など8店でかぴまーとを立ち上げた。

 2000年のそごう閉店、ヤマトヤシキ進出後も営業を続け、改装などでてこ入れを図ってきた。しかし、「近年は赤字続きだった」と副店長の河本直也さん(44)。駅周辺への大型スーパー進出で、子育て世代などの客足はそちらへ向かった。また、賃料や共益費、老朽化に伴う維持費の負担も重く、運営団体の代表らが金融機関や会計士を交えて協議を重ねた結果、今年10月半ばごろ閉店を決めたという。

 週2回仕事帰りなどに利用してきた市内の会社員女性(46)は、店内に張られたチラシで閉店を知った。「自転車で行けない地元の名店の商品を扱ってくれるなど、お気に入りだったのに」と残念がる。

 23日からは、長年の愛顧に感謝して閉店セールを展開する。河本さんは「父は駅前市場からここで商売を続け、オープン当初からの従業員もいる。みんな寂しいが、やむを得ない決断だと思う」と話した。

 同ビルの管理業務を受託する「加古川再開発ビル」によると、空いたスペースの今後の利用については未定という。

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