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多くのおむつが保管されたトイレで、園児のおむつを替える保育士=高砂市北浜町北脇、北浜こども園
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多くのおむつが保管されたトイレで、園児のおむつを替える保育士=高砂市北浜町北脇、北浜こども園

 兵庫県高砂市の全公立保育施設で来年4月から、希望者を対象にした紙おむつの定額使い放題サービス(サブスクリプション)が始まる。県内の自治体で、全ての公立保育施設に導入されるのは初めてという。保護者は朝の忙しい時間帯におむつの準備をする必要がなくなり、施設側もおむつを保管する手間が省けるようになる。(笠原次郎)

 多くの保育施設では、常に複数枚のおむつのストックが求められる。補給するのは保護者の役目で、おむつに園児の名前を書く必要もある。保育士も大勢の園児のおむつが足りているか毎朝、確認する作業が必須だ。

 子育て事業のベンチャー「ベビージョブ」(大阪市)は2019年、そんな保護者と保育士双方の負担を減らそうと、衛生用品大手「ユニ・チャーム」と協力し、サブスク「手ぶら登園」を始めた。同社と契約した保護者が、おむつの価格別に月額2508円か3278円を支払う。11月21日時点で、全国の2700園、兵庫県内の80園が採用している。

 高砂市内のこども園など公立全9園には現在、0~2歳児が240人以上いるという。全園の保護者有志は6月、おむつのサブスク無料試行実験に参加。その後市が実施した、おむつを使う乳幼児の保護者272人へのアンケートでは「子どもと向き合う時間が増えた」として、97%が「試行に満足」と答えた。

 一方、保育士は常に多忙で、特に複数の0歳児の担当中はけがをさせないよう目が離せないが、おむつ替えはほかの子から離れて行うため、その間は園長ら管理職が代わりに見守っているという。同じ市のアンケートで、保育士147人のうち「おむつを仕分けする手間が減った」と93%が回答。大多数が、多忙さの緩和につながる制度開始に前向きだった。

 来年4月からのサブスク希望者は、ベビージョブにそれぞれ個別で申し込む。高砂市立北浜こども園の安永綾園長(53)は「入園間もない春は特に、保育士も慣れていないので多忙を極める。一つでも作業が減れば、子どもに向き合う時間が増える」と強調する。

 6月の試行期間中はおむつを園が回収して捨てていたため、従来はおむつを持ち帰っていた保護者にも好評だった。保育士からも園によるおむつ回収を求める声が多く上がっており、高砂市は今後、園でのおむつ回収も検討していく。

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