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男性署員を制圧する渡辺富紀恵さん=加古川署
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男性署員を制圧する渡辺富紀恵さん=加古川署
護身術ケース(2)「正面から殴られそうになったら」を女性署員に試みる記者(右)=加古川署
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護身術ケース(2)「正面から殴られそうになったら」を女性署員に試みる記者(右)=加古川署

 兵庫県警加古川署でプロ格闘家を招き、女性署員向けに護身術訓練があった。「もしも」のときために自分の身を守るすべを知りたい-。そう思った記者も訓練に加わった。

 「うわっ、またか…」。露出事件や強制わいせつがあるたびに、犯人が早く捕まってほしいと祈る日々。加古川署によると、管内(加古川市、稲美、播磨町)で昨年認知した強制性交や盗撮などわいせつ事案は70件。女性が夜間に1人で歩いていて、被害に遭ったケースが多いという。

 護身術を教えてくれたのは、三木市在住のプロ格闘家の渡辺富紀恵さん(35)。夫が同署員だった縁で講師役を務めた。渡辺さんは、1980年代に武道から派生した格闘技「空道」と、打撃や寝技、関節技などを使う「総合格闘技」の選手。昨年、総合格闘技「修斗」の新人王タイトルを獲得している。

 「胸ぐらをつかまれたら」「腕をひっぱられたら」など、同署の女性署員が過去に経験したシチュエーションを基に効果的な護身術を伝授した。そのうち2種類を紹介する。

 ケース①後ろから抱きつかれたら

 頭突きするように自分の首を前後に振り、相手の顔やあごを後頭部で攻撃。それでも相手がひるまなければ、足の甲をかかとで踏みつける。相手の腕がほどけた瞬間にすかさず逃げる。

 ケース②正面から殴られそうになったら

 殴りかかってくる腕をよけながら、低い姿勢で自分から相手の体に突っ込む。相手がよろけたら、腰骨辺りに手を回し、腰をへし折るように相手の重心を後方へと倒す。相手が体勢を崩したらすかさず逃げる。

     ◇

 訓練では、こつを覚えると、どの技も自分より背の高い人が簡単に転がり、逃げる隙が生まれた。ただ、一般人が実際に襲われて、パニックになったら訓練通りにできるのだろうか。

 答えは恐らく「ノー」。護身術はあくまで逃げるための手段。日頃から格闘技で鍛えている人でも、とっさに技をかけるのは難しいという。

 大切なのは、危険に遭遇しないこと。「もしも」の想像を膨らませることで、危険を察知し、近づかない工夫をしてほしいという。路上ではイヤホンなどで耳をふさがない▽防犯ブザーを携帯するなど-対策が必要だ。

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