東播

  • 印刷
弱視の中学生(左から2人目)に2人乗り自転車の乗り方を指導する円尾敦子さん(左端)=加古川市加古川町、加古川河川敷
拡大
弱視の中学生(左から2人目)に2人乗り自転車の乗り方を指導する円尾敦子さん(左端)=加古川市加古川町、加古川河川敷
アイアンマンレースの世界選手権出場への協力を求めるクラウドファンディングサイト
拡大
アイアンマンレースの世界選手権出場への協力を求めるクラウドファンディングサイト

 リオデジャネイロ、東京パラリンピックと2大会連続でトライアスロン女子(視覚障害)に出場した円尾(まるお)敦子さん(48)=兵庫県伊丹市、日本オラクル=が新たな挑戦として、スイム、バイク、ランの距離が9倍近い約226キロに及ぶ「アイアンマンレース」に出場している。パラスポーツの裾野を広げることにも力を入れており、25日には同県加古川市内で、弱視の生徒を対象に自転車などの体験会を開催。夢を追い続ける姿を若者に見せ、刺激を与えた。(笠原次郎)

 広島県生まれ。左目は生まれつき見えず、右目の視力も徐々に落ちていった。鳥取大医学部大学院では「自分と同じように病気で苦しむ子どもを救いたい」と医学研究者を目指したが、顕微鏡を使う作業で右目を酷使し、症状が悪化して研究者の道を断念した。

 苦手だった走ることを始めたのは、病気の弟を励ますためだったという。冗談半分で東京マラソンの伴走を頼んだところ、弟が快諾し2011年に出場。10キロの部で2位に入ったのを励みに本格的に走り始め、翌年にはトライアスロンの世界へ。パラリンピック2大会連続出場につながり、16年のリオで9位、21年の東京でも11位に入った。22年からは、活躍の場をアイアンマンレースに移している。

 加古川市加古川町の加古川河川敷で25日にあった体験会には、講演会で縁ができた県立視覚特別支援学校(神戸市垂水区)の生徒らが参加。2人乗りの自転車の後ろに弱視の生徒が乗り、河川敷を疾走した。円尾さんから自転車の乗り方でアドバイスを受けた中学2年の女子生徒(14)は「風を切って走るのが楽しかった。円尾さんが優しく声をかけてくれて緊張がほぐれた」と話した。

 円尾さんは、23年のアイアンマンレース世界選手権出場を目指している。インターネットのクラウドファンディングサイト「レディーフォー」で、ガイド選手の旅費などとなる200万円を4月15日午後11時まで募っている。「世界選手権に出場できるまで諦めない。みんなが私と同じように夢を持ち続け、実現に向けて頑張ることができる社会に近づけたい」と話す。

東播スポーツ
東播の最新
もっと見る
 

天気(10月22日)

  • 19℃
  • 14℃
  • 60%

  • 19℃
  • 14℃
  • 30%

  • 17℃
  • 12℃
  • 60%

  • 18℃
  • 13℃
  • 50%

お知らせ