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協力した東播磨高校放送部の藤本実久さん=東播磨高校
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協力した東播磨高校放送部の藤本実久さん=東播磨高校
特殊詐欺防止の啓発シールが貼られた手作り納豆「なっとこちゃん」=高砂市曽根町
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特殊詐欺防止の啓発シールが貼られた手作り納豆「なっとこちゃん」=高砂市曽根町

 不特定多数から現金をだまし取る特殊詐欺の被害が後を絶たない。東播地域の昨年の被害額は2億5千万円を超えた。高齢者らの被害を食い止めるため、地元警察は企業や学校などと連携。地域一丸で、さまざまな取り組みを続けている。(児玉芙友)

■加古川署×東播磨高放送部 バス内で手口伝える放送

 街中で意識を高めてもらおうと、加古川署は東播磨高校と協力し、特殊詐欺の手口を伝えるアナウンスを、兵庫県加古川市内を走るバス内で始めた。

 東播磨高校放送部は、昨年のNHK杯全国高校放送コンテスト(Nコン)のラジオドキュメント部門で全国優勝。同部は以前から県警の交通事故防止に向けた啓発活動にも参加してきたことから、同署が協力を依頼した。署員が考えた原稿を3年生の藤本実久さん(17)が朗読して収録した。

 内容は「サポート詐欺」と「還付金詐欺」の2種類。それぞれ30秒ずつで「ATMで還付金は受け取れません。詐欺です。お金を振り込んではいけません」と、めりはりを利かせた声で警告する。音声は4月から同市を巡回するコミュニティーバス「かこバス」全便で放送されている。同署は他に、青色回転灯をつけた防犯専用車「青パト」でもアナウンスを流し、街頭で啓発する。

 藤本さんは「収録では『ATMで還付金は受け取れません』の部分を強調した。少しでも印象に残って、詐欺に気がつく人が増えてほしい」と話した。

■高砂署×障害者就労支援施設 納豆の容器に啓発シール

 高砂署は高砂市内の障害者就労支援施設と連携している。手作り納豆を製造、販売する社会福祉法人あかりの家「納豆工房なっとこちゃん」(同市曽根町)が、商品パッケージに特殊詐欺防止を呼びかけるシールを貼り注意を促す。

 同工房は生活介護と就労継続支援B型の事業所。30年以上にわたり納豆作りに取り組む。利用者が豆の選別や皮取り、包装などを手がけている。「なっとこちゃん」は、納豆専門のカルチャー誌にも掲載され、広く注目を集める人気商品。同工房は市内で多発する詐欺被害の状況を聞き、力になりたいと協力依頼に快諾した。

 シールは「電話でお金の話はサギ」などと記された高砂署オリジナルのもの。署員がデザインを考え、同工房がシール1万枚分を業者に発注した。シール付き納豆は4月から同工房併設の店舗や、同市内4つの食料品店などで販売されている。

 工房施設長の長谷川博信さんは「詐欺被害者を出さないという形で、地域に恩返ししたい。少しでも意識の醸成につながってくれればうれしい」と話している。

【東播地域の特殊詐欺被害】東播2市2町で2022年に認知された特殊詐欺の被害額は2億5千万円超。加古川、高砂署によると被害件数は計64件で、件数・金額ともに過去最多。加古川署の22年の被害金額は約2億2千万円(前年約8800万円)で県内最高額。件数は44件(同35件)だった。また高砂署管内では20件(同4件)、約3千万円(同約200万円)で、被害の急増がうかがえる。

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