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加古川市内の書店に設けられた特設コーナーを訪れた山本誠志さん=加古川市加古川町寺家町(山本さん提供)
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加古川市内の書店に設けられた特設コーナーを訪れた山本誠志さん=加古川市加古川町寺家町(山本さん提供)
山本誠志さんの単行本「宇宙の音楽」
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山本誠志さんの単行本「宇宙の音楽」

 兵庫県加古川市出身の漫画家山本誠志(まさし)さん(27)=埼玉県在住=が、自身初の単行本「宇宙の音楽」を発売した。吹奏楽曲として知られるP・スパーク作「宇宙の音楽」と同名の漫画は、一度吹奏楽を諦めた高校生の主人公が、新たな仲間と音楽を奏でる楽しさに目覚めていく青春ストーリー。同県明石市が舞台で、登場人物の播州弁によるテンポのいい掛け合いも魅力。同市立天文科学館など著名な場所も登場する。(児玉芙友)

 「宇宙の音楽」は月刊少年マガジンに掲載。山本さん初の連載作品で、3月に単行本第1巻が発売された。

 主人公は明石市内の高校に入学した宇宙零(たかおきれい)。プロのトランペット奏者を父に持ち、音楽をこよなく愛する。中学の吹奏楽部ではトランペットを担当するが、ぜんそくを患い、吹奏楽を封印。吹奏楽部のない高校に進学したはずだったが、入学式の日、創部したばかりの吹奏楽部が演奏を始める。部長と会話をする中で音楽センスと内なる情熱を買われ、指揮者として勧誘される。零は新しい出会いから、吹奏楽の醍醐味(だいごみ)を味わっていく…。

 作者自身、主人公と同じく音楽をこよなく愛し、小学校は金管バンドでトランペット、中高は吹奏楽部でクラリネットを演奏してきた。

 幼少期から絵を描くのが好きで、ぼんやりと漫画家に憧れを持った。中学生の頃には、漫画「スラムダンク」を読んで好きなことに夢中になって取り組む登場人物の熱い思いに胸を打たれた。大好きだった吹奏楽を広めていく漫画を描けたらおもしろいかも、と職業として目指したという。

 「バスケなら『スラムダンク』、サッカーなら『キャプテン翼』、吹奏楽なら…。社会を席巻するような、魅力を詰め込んだ作品を自分の手で生み出したい。吹奏楽の素晴らしさをもっと伝えたい」

 吹奏楽は細かい楽器を描くのが難しく、登場人物も多いことから、「新人には難しい題材」と言われ続けてきた。それでも山本さんは吹奏楽を題材にする作品を描き続けた。これまで30本以上の「ボツ」を経験しながら、ようやく第1巻の発売にこぎ着けた。単行本の帯には「のだめカンタービレ」の作者二ノ宮知子さんが推薦文を書いてくれた。

 山本さんは「吹奏楽をしていなくても、諦めた何かを再び始めるため、一歩踏み出す勇気がほしい人に読んで欲しい」と話す。

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