渋谷と浅草を結ぶ東京メトロ銀座線(moonrise/stock.adobe.com)
渋谷と浅草を結ぶ東京メトロ銀座線(moonrise/stock.adobe.com)

東京メトロは11月1日にダイヤ改正を銀座線で実施。ダイヤ改正により、土休日の列車本数が増えます。SNSでは、土休日の銀座線の混雑ぶりを嘆くと同時に、ダイヤ改正による混雑緩和への期待が感じられます。土休日の銀座線の混雑ぶりを確かめるべく、上京の機会を利用して、銀座線に乗車しました。

■土休日、日中時間帯の本数が大幅に増加

ダイヤ改正の対象となる時間帯は、土曜日・休日ダイヤ9時~18時です。現在の運転間隔は4分0秒間隔ですが、これを3分20秒間隔にします。

銀座線では、ここ数年、小刻みにダイヤ改正を実施しています。コロナ禍の2022年3月のダイヤ改正では、平日、土休日の日中時間帯において、1時間あたり20本から18本に減便。さらに同年8月には、18本から12本になり、5分間隔まで延びました。

その後、2023年4月に5分間隔から4分間隔(1時間あたり12本から15本)になりました。

■最混雑区間は赤坂見附→銀座

休日に三越前駅で用事を済ませるため、筆者は渋谷駅から銀座線に乗車することに。乗車した列車は渋谷駅13時16分発の浅草行きでした。渋谷駅発車時点で、全席が埋まるものの、立ち客はちらほら。渋谷駅発車時点では、「大混雑」といった感じではありませんでした。

車内の様子が大きく変わったのは、渋谷駅発車8分後の13時24分、赤坂見附駅に到着した時。赤坂見附駅は丸ノ内線の乗換駅であり、同一ホームでの乗り換えが可能です。ここで、丸ノ内線からの乗り換え客が車内に入り、一気に混み合いました。

結果的に、赤坂見附→新橋間が最混雑区間でした。新橋駅では降車が多い一方、スーツケースを持った訪日観光客も見かけました。13時31分、銀座駅に到着し、車内は一気に空きました。

17時09分、三越前駅から浅草行きに乗車。全席が埋まり、少し混雑といった感じです。上野駅でかなり空いた状態になり、17時23分に浅草駅2番線に到着しました。それでも、ホームでは、スムーズに歩くことは難しい状況でした。ラッシュ時並みの混雑であれば、改札まで相当の時間を要することは想像に難くありません。

■問題はスーツケースとホーム

銀座線は混雑路線といっても、1人あたりの乗車区間は短いように思います。そのため、土休日の場合、「少し混雑を我慢すれば大丈夫」といった感じでした。

一方、車内で窮屈そうだったのはスーツケースです。銀座線の車両は私鉄車両よりも小さく、スーツケースの持ち込みは大変なように見受けました。

また、銀座線の各駅では、改札外から地上までのエレベーターを設けた一方、ホームと改札を結ぶエスカレーターがない駅もあります。

回避方法としては、銀座線と並行して走る都営浅草線が挙げられます。たとえば、羽田空港から銀座へは、新橋(銀座線)経由ではなく、東銀座(日比谷線)経由が考えられます。

また、銀座線はホームが狭いこともネックです。銀座線では、車内の混雑よりもホーム上での混雑の方が激しく感じます。しかし、ホームの拡張は簡単ではありません。列車の増発がホーム上の混雑緩和につながるのか、気になるところではあります。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)