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キング醸造の日の出みりんを材料に作られるヨシダソース。奥は米国で売られているリテールサイズ、手前は日本用のハーフサイズ
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キング醸造の日の出みりんを材料に作られるヨシダソース。奥は米国で売られているリテールサイズ、手前は日本用のハーフサイズ
ヨシダソースの製造工場を見守るヨシダフーズインターナショナル創業者の吉田潤喜さん=米オレゴン州(日の出ホールディングス提供)
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ヨシダソースの製造工場を見守るヨシダフーズインターナショナル創業者の吉田潤喜さん=米オレゴン州(日の出ホールディングス提供)

 大ぶりなボトルの注ぎ口は、日本ではあまり見られない形状。ラベルに写る男性は、カウボーイハットをかぶって満面の笑みを浮かべる。どんな料理にも使える万能グルメソース、ヨシダソースだ。

 製造するヨシダフーズインターナショナル(米国)は、原材料の「日の出みりん」を手掛けるキング醸造(兵庫県稲美町蛸草)の関連企業。「全米ナンバーワン」を掲げるほど米国の一般家庭で親しまれるが、ルーツは日本の味でもある。

 ヨシダフーズインターナショナルはラベルの男性でもある吉田潤喜さん(71)が1982年に設立した。19歳で渡米後、空手道場を開いていたが、不況で教え子たちにクリスマスプレゼントのお返しが買えないほど困窮していた。そこで、しょうゆやみりん、砂糖を煮込み、京都の実家の焼き肉店に伝わるタレを再現し、配ったのが始まり。

 手製のタレは教え子から好評で、「また作ってほしい。金を払ってもいい」とリクエストも寄せられた。商機と見込んで、すかさずバーベキューソースとして商品化した。素材の味を引き立て、完成した料理に照りとコクを加える。鶏肉や豚肉など、どんな食材とも相性が合う。

 当時米国では、しょうゆの照り焼きは「テリヤキ」として知られており、「一気にブームになったようです」。国内での販売窓口となっているヨシダフーズインターナショナルジャパン(東京)の社長、近澤雅明さん(57)が明かす。

 吉田さんが自ら会員制スーパー「コストコ」に商品を持ち込み、着物姿にカウボーイハットで実演販売に臨み、消費者にアピールしたのも奏功した。熱心さがコストコの経営者に気に入られ、欧州などに新規出店した際、必ず店頭に並ぶ。

 コストコは1999年から日本にも進出し、日本人にも知られるようになった。国内での販売が広がる中、経営の持続化を目指したヨシダフーズインターナショナルは、商品化当初から一貫してみりんを仕入れていたキング醸造と提携を強める。同社も海外展開を進めており、2018年に親会社の現・日の出ホールディングス(HD)のグループ企業となった。

 ヨシダソースはオリジナルの味以外に、辛味を増したスパイシー、薫製して香りを付けたバーベキューに加え、塩こうじをブレンドした「糀(こうじ)グルメのたれ」と4種類ある。国内での広がりに合わせ、日本の家庭でも使いやすいハーフサイズも販売されている。

 近澤さんは「ソースで煮込んだ豚肉を割いて保存すれば、パスタやハンバーガーの具材になる。まだ日本では知られていない使い方を広めたい」。アメリカンドリームを体現し、逆輸入したヒット商品の浸透を図る。(若林幹夫)

【日の出HDとヨシダフーズインターナショナル】日の出HDのグループ企業はキング醸造など国内外に12社。2019年に日の出通商から改称。18年に資本業務提携を結んだヨシダフーズインターナショナルは、米オレゴン州でヨシダソースを製造し、欧州や中南米でも販売している。

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