東播

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災害時の対応について、事業所職員に説明する福田浩和さん(中央奥)。右側の息子2人も防災士として福祉事業所向けの研修を担う=ひまわりの郷
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災害時の対応について、事業所職員に説明する福田浩和さん(中央奥)。右側の息子2人も防災士として福祉事業所向けの研修を担う=ひまわりの郷

 高齢者や障害者が利用する福祉事業所の防災体制を強化するため、兵庫県防災士会東播エリアが、職員や利用者向けの研修、訓練に力を入れている。中心的役割を担うのは、同エリア副理事の福田浩和さん(53)=同県加古川市。17日で発生から27年となる阪神・淡路大震災で、ともに障害がある両親が神戸市須磨区で被災し、自身はその後、障害者支援事業所を開業した。「福祉、防災の両方に精通する者として役に立ちたい」と意欲を燃やす。(広岡磨璃)

 福田さんは事業所開業後、福祉と防災をつなぐ役割を担おうと、防災士の資格を取得。福祉事業所に対しては2021年4月から、事業継続計画(BCP)の策定や研修、訓練の実施が義務付けられた。だが、「何から手を付ければいいのか分からないという事業者も多く、業界の防災は進んでいない」と指摘する。

 同エリアは20年度から福祉事業所対象の啓発に力を入れ、特化したチラシも作製。21年末までに延べ8カ所に出向いた。

 研修では、事業所や利用者の特性によって備蓄品が違うことや、夜間や日中など時間帯によっても対応が変わることを解説し、事業所側にも考えてもらう。例えば備蓄品では、てんかんの薬、生命維持装置のための電源など、障害の種別や程度で品目が異なる。

 利用者向けには、災害時にどう行動すべきかを、絵やクイズ形式などで分かりやすく伝える。避難訓練の実施も支援し、避難計画策定の相談にも応じる。

 加古川市加古川町稲屋の就労継続支援B型事業所「ひまわりの郷(さと)」は、20、21年度の計2回、同エリアの防災士を招いた。研修を踏まえ、利用者1人当たり厚さ5センチ近い情報ファイルを、A4判の1枚にまとめた「緊急時持ち出しシート」を作成。研修内容を職員が伝わりやすく工夫して利用者に周知するなど、取り組みを続ける。

 同事業所運営会社の岸本和哉社長(37)は「災害時、利用者を自宅まで送り届けられない場合の選択肢を増やそうとしている。研修でより身近に災害を考えるようになった」とする。

 同エリアのまとめ役で、福田さんの思いをくんで事業所向け研修の強化を決めた津村道彦理事(62)は「高齢者や障害者らの命を守るため、法整備などは前進しつつある。防災意識の向上を、今こそ福祉関係者に浸透させたい」と話す。

     ◇     ◇

■加古川市、施設内防災士にも補助 資格取得を後押し

 近年の災害では、老人ホームの孤立などが問題となり、高齢者、障害者ら「要配慮者」に対する避難行動支援の必要性がクローズアップされている。

 法整備も進み、浸水や土砂災害が想定される場所の福祉施設では、避難確保計画の策定や訓練の実施が義務化された。また、2021年4月の介護報酬と障害福祉サービス報酬の改定に伴い、3年間の経過措置はあるものの、全事業者に事業継続計画(BCP)の策定や研修、訓練の実施が義務付けられた。

 こうした動きを踏まえ、加古川市では、防災士を軸とした施設の防災力アップを期待。資格取得の経費を補助する対象に、21年度から「社会福祉施設等の管理者が推薦する人」を加え、育成を後押しする。21年度の制度利用はなかったが、市防災対策課は「補助制度の周知を強化し、事業所の防災で主導的な役割を果たす人を増やしたい」としている。(広岡磨璃)

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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