祈り継ぐ震災21年
阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、毎年1月17日に神戸市中央区の東遊園地で催される「1・17のつどい」が来年以降、大きく姿を変えることになりそうだ。追悼の象徴となってきた竹灯籠は規模を縮小し、竹灯籠の火で形作ってきた「1・17」も公募で選ばれた文字に変更される見通し。追悼の場をいかに維持し、記憶の風化をどう防いでいくか-。震災20年の節目を過ぎ、関係者らの模索が続く。
16日夜に開かれた同つどい実行委員会で、委員長を務めるNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り(HANDS)」の藤本真一代表理事(31)が改革案を提案した。
準備してきたボランティア団体「神戸・市民交流会」の高齢化による解散決定で、存続が危ぶまれていた竹灯籠。同会は例年、1万本以上を準備してきたが、準備や片付けが大きな負担となっていた。来年のつどいではひとまず犠牲者数と同じ6434本を準備する方針だが、以降は労力を減らすために竹以外の灯籠なども検討していくという。
また、竹灯籠の火で描いてきた「1・17」の形は、公募で選んだ文字に変え、毎年違ったメッセージを発信する方針。一方、ペットボトル容器にろうそくを浮かべる簡易な「ペットボトル灯籠」を市民が持ち寄り、小さく「1・17」の文字を作るという。
この日の実行委員会で、藤本代表理事は「20年が過ぎた今が瀬戸際。みんなの思いを傾けながら発信しないと尻すぼみになる。変えるのは大変だが、震災をずっと未来に伝えたい」と改革案への同意を求めた。
出席した委員には前向きな受け止めが多かったが、「あくまで犠牲者の追悼行事であることは外せない」「誰に何を訴えていくかが重要」などという指摘もあった。今後、参加団体にも意見を聞き、来月の実行委で改革案を正式決定する見込み。(高田康夫)
【市民が追悼、行政も支援 東北との交流の場にも】
「阪神淡路大震災1・17のつどい」は1998年1月17日、ボランティアグループ「神戸・市民交流会」が神戸市中央区の旧吾妻小学校(現・コミスタこうべ)で開いた追悼行事が始まり。午前5時46分、犠牲者数と同じ6434本の竹筒にろうそくを浮かべ、「1・17」の形に並べて黙とうした。
翌99年からは東遊園地に場所を移し、2000年から竹灯籠に「追悼」「祈り」などの文字を書くようになった。この年、東遊園地の一角に「慰霊と復興のモニュメント」が完成。ガス灯「1・17希望の灯(あか)り」も設置された。01年から神戸市主催の「追悼の集い」も同時開催。02年、震災遺族やボランティアを中核に、同市がサポートする現在の体制になった。
11年3月の東日本大震災発生以降は、東北の被災者もつどいに参加。午後2時46分に「3・11」の形に竹灯籠を並べて黙とうするなど、被災地同士の交流の場にもなってきた。
神戸市によると、参加者は例年4万3千~4万4千人で推移してきたが、震災20年の節目となった今年1月17日は過去最多の10万1千人が会場を訪れた。
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