祈り継ぐ震災21年
阪神・淡路大震災の遺児らを支援するあしなが育英会の「神戸レインボーハウス」(神戸市東灘区)で、毎年行われてきた追悼式が来年1月からなくなり、「つどい」に姿を変えることが分かった。震災翌年から開かれてきた式では毎回、遺児が亡き親への手紙を朗読してきたが、遺児が全員成人したことなどから決断。震災20年を経て「節目」を迎えた。(阿部江利)
■神戸レインボーハウス
【全員成人で「節目」来年から交流会に】
同会は震災直後に実施した調査で、遺児573人を把握。家庭の事情など必要に応じて支援を続けている。
追悼式「今は亡き愛する人を偲(しの)び話しあう会」は1996年に始まり、第1回は29世帯67人が参加。第4回からは完成したレインボーハウスに会場を移し、今年1月11日に開かれた第20回も約30人が出席した。
しかし、同会の支援対象となる遺児は大学などの卒業まで。現在、支援する学生の遺児も1、2人だけという。毎月の便りも20年前は337世帯に送っていたが、現在は164世帯に減った。
こうした状況の変化などから、式典は幕を引くことに。来年は名称を「追悼と交流のつどい」とし、1月16日に予定。黙とうと献花にとどめ、東日本の被災者も招いて遺児同士の語り合いを中心に据える。
第1回から式に関わる伊藤道男課長(58)は「他の遺児の話を聞きながら亡き人と静かに向き合う大切な時間。交流会だけにすることに葛藤はある」と打ち明ける。
その上で「震災について問い直し、社会との関わり方を考えるきっかけを見いだせる場になればうれしい」と話す。
【手紙朗読、悲しみや夢つづる】
「ママ、かえってきて」-。遺児らが父母への思いを読み上げてきた神戸レインボーハウスの追悼式。幼い心いっぱいに詰まった悲しみを語った子どもたちは、歳月を重ね、夢をかなえたり、自らが親になったりした決意を述べるようになった。
震災翌年の第1回。4歳の女児は「おおきくなったら、パパのところにいけるの。もういちどだっこしてね」。12歳女児も父親に「お母さんに気付かれんように、こっそり泣きます。夢に一度は出てきてな」と語りかけた。
第2回には、8歳の女児が「ママ、お元気ですか」で始まる作文を朗読。貯金箱がいっぱいになったらディズニーランドに行こうと約束していたことに触れ、「やくそくをまもってください」と呼び掛けた。
2007年、高校3年の時も読み、「だんだん死を受け入れられるようになった」と明かす。美容師になって、育ててくれた祖母を一番にカットしたいと報告。女性は美容師の夢をかなえた。
子連れで出席する姿も増えた。今年1月、“最後”の式で、2児の母となった40代女性はこう締めくくった。
「天国でママと会う日が来たら抱きしめて。その日まで頑張り続けるから」
(阿部江利)
2015/12/16
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