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明石海峡大橋特集

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明石海峡大橋を背景に、くす玉を割って開通10年を祝う式典出席者=5日午前、淡路市岩屋の神戸淡路鳴門自動車道・淡路サービスエリア(撮影・峰大二郎)
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明石海峡大橋を背景に、くす玉を割って開通10年を祝う式典出席者=5日午前、淡路市岩屋の神戸淡路鳴門自動車道・淡路サービスエリア(撮影・峰大二郎)

 神戸と淡路島を結ぶ世界最長のつり橋、明石海峡大橋(3911メートル)が5日、開通から丸10年を迎えた。この間の累計交通量は、本州と四国を結ぶ架橋3ルートの中で最多の8800万台。しかし、1日平均2万5000台(2007年度)は当初予測を大幅に下回り、割高な通行料金と巨額の債務返済が大きな課題となっている。国は2013年度以降も関係自治体に負担を求めており、今後、議論を呼びそうだ。この日はノンストップ料金収受システム(ETC)利用の普通車などの通行料金が半額となり、橋の南側にある神戸淡路鳴門自動車道・淡路サービスエリア(淡路市)の駐車場は、四国方面行きを中心に車で埋まった。

 本州四国連絡高速道路会社(本四高速、神戸市)によると、本四架橋3ルートの交通量は07年度、開通前に予測した1日平均6万5400台に対し、3万8300台にとどまった。

 利用低迷で、大橋の通行料金は普通車2300円と割高。国は今秋にも道路特定財源の投入による値下げを計画していたが、福田康夫首相の一般財源化表明で行方は不透明だ。

 3ルート整備に伴う借金は通行料金で返済する計画だったが、国は公費を投入し救済。それでも、有利子負債は06年度末、計1兆8千億円に上る。完済予定の50年度までの利払いは1兆1千億円。

 国は12年度まで、兵庫県、神戸市など受益者とされる関係10府県市とともに、年間800億円を出資。通行料金を本来の体系より28%引きにしている。各自治体には重い負担となっているが、国は、10府県市による出資を13年度以降も延長することを、現行料金維持の前提とする。財政の厳しい各府県市は同意していない。(石崎勝伸)

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■井戸知事「発展に寄与期待」

 明石海峡大橋開通10年に合わせ、9月まで各地で開かれる記念イベントの「オープニングセレモニー」が5日、淡路市の神戸淡路鳴門自動車道・淡路サービスエリアであった。国土交通省や沿線自治体の幹部ら約100人が出席し、くす玉を割るなどして祝った。

 冒頭、井戸敏三・兵庫県知事は「淡路を訪れる観光客数が、開通前と比べて年間約500万人増えた。今後も地域の発展や生活の高度化に寄与してくれることを期待する」とあいさつ。飯泉嘉門・徳島県知事も沿線地域の連携などで、架橋効果を高める必要を訴えた。

 本州四国連絡高速道路会社(神戸市)の伊藤周雄社長は「地域の発展や生活向上に向け、橋をどのように活用していくかを考えることが重要だと痛感している」などと述べた。

2008/4/5
 

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