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明石海峡大橋特集

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 明石海峡大橋の開通からあす5日で1年。計10社が運行している大橋経由の高速バスの利用客は、これまでに延べ400万人近くに達し、近畿運輸局は「船に比べて天候に左右されず、市民の足として定着した。神戸・四国間などの交流も広がった」と評価する。一方、大橋目当ての観光客が減り続ける中、各社とも激しいサービス合戦を繰り広げ、開通2年目に向けて生き残りをかけている。(金井恒幸)

 ■観光減で格差□

 バスを運行しているのはJRグループ3社と私鉄系などの地元7社。近畿運輸局によると、今年2月末までの1台当たりの乗客数は平均20人。開通直後の昨年4月の平均は1台22人で、今年1、2月は平均18、9人となるなど、減少傾向が続く。

 路線別での1台平均の乗客数トップは、大阪・徳島と舞子・福良間の各30人。最少の舞子・洲本、舞子・大磯間の9人と比べて3倍以上と、路線間で格差が広がっている。また、舞子・岩屋間では昨年4月の1台平均25人が今年2月には12人に半減。近畿運輸局は「明石大橋を見るのが目的の観光客は激減した」とみており、通勤や買い物へとバス利用の変化がうかがえる。

 ■JR対地元バス□

 大橋人気が落ち着きを見せる中、各社は乗客増を狙ってさまざまなサービスを競っている。

 バスに共通マークをつけて共同運行するJR西日本、JR四国、本四海峡バス(本社・神戸市)の3社は、当初から2階建てバスを1日1往復させていたが、昨年12月からは2往復に増便。JR三ノ宮駅前のバス停も、私鉄グループ側の神姫バスが待合室を新設したのに対抗し、昨夏までに雨よけ屋根を設置した。さらに「バス乗車券がJR駅で買える販売網の広さを生かしたい」と、淡路地域にも販売設備を整えた。

 これに対して私鉄系の多い地元グループのうち、神姫バス(本社・姫路市)は昨年7月から、夕方便の利用者に新聞夕刊を無料サービス。淡路交通(同洲本市)は車内でBS放送を流す一方、ウーロン茶の無料提供を実施。今は一時中断しているが、「今年夏ごろには再開したい」と話す。JR側の販売網に対抗して、淡路交通はコンビニでも乗車券を発売した。

 ■相次ぐ路線計画□

 路線の延長や拡大策も相次ぐ。淡路交通と神姫バスは、運行期限が今年3月末だった明石・淡路間を12月末まで延長するほか、福良・三宮間の路線新設も夏までに具体化する方針だ。淡路交通は2000年に淡路で開催される国際的な園芸博「ジャパンフローラ」に伴い、会場への路線延長を検討中。JRグループなども3月から京都・徳島便を新設するなど、動きが活発化している。

1999/4/4
 

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