エッセー・評論

木皿食堂

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撮影・木皿泉

撮影・木皿泉

 お芝居は観(み)るものだと思っていたのに、書くことになってしまった。稽古の初日は、どんどん近づくのに、一枚も出来(でき)ていない。相方は、サマージャンボ宝くじが当たることを、ひたすら祈って、そのお金で今回の仕事はなかったことにしてもらおうと言うが、プロデューサーに、それでは足りませんと言われてしまった。追い詰められると、何でこんな仕事を引き受けたのか、と夫婦ゲンカになる。が、2人に他に出来ることなどなく、結局「食べるためには仕方ない、書くか」というところに落ち着いてしまう。

 「食べる」ということがなければ、人生、どんなに楽だろうと思う。夫婦の小さな悶(もん)着(ちゃく)はもちろん、もっと根の深い大きな争いもなくなるのではないだろうか。もっと余裕を持って暮らしてゆけるのではないか。そんなことを考えながら、夜明けのファミレスで書き飛ばし、稽古初日の午前中、ようやく初稿が出来上がった。

2012/9/2

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