エッセー・評論

木皿食堂

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撮影・木皿泉

撮影・木皿泉

 久しぶりに「何でこんなモノを?」というものを買った。食品サンプルの店で見つけた玉子かけご飯。3800円もしたのに買ってしまった。最近のは蝋(ろう)ではなく、プラスチックでできていて、白米はつやつやと輝き、ぷっくりとした黄身やご飯に染みた醤油(しょうゆ)も、本物としか思えない。実用的な、仏様に供えるための、偽物のご飯も売っていた。隣で同じものを見ていた年配の女性と目が合い、「こんなん供えて、いいんですかねぇ」と言うと、「ねぇ」と女性も同意する。毎日、ご飯を炊かないので、こんなのがあると便利だが、仏様に偽物を供えるのは抵抗がある。

 実用的な偽物は、ちょっと苦手だ。偽物はできれば、無益でバカバカしくあってほしいと思う。ダンナは若い頃に、喫茶店のショーウインドーの中に入ってガラスを拭いているオジサンを見たことがあるそうだ。一応、靴は脱いでいるのだが、高いところを、オムライスやら、チョコレートパフェに乗っかって拭いている姿は、とても衝撃だったそうだ。偽物が私たちの心を揺さぶるのは、なぜだろう。それが、よくできていればいるほど、本物に感じない何かを思う。

2014/10/5

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