エッセー・評論

木皿食堂

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撮影・木皿泉

撮影・木皿泉

 車いすのダンナは、月に一度、5日間ほどショートステイに行ってくれる。私を介護から解放してくれるためである。赤い車の形をした小さなバッグに身の回りの物を詰め、出かけてゆく。何が入っているのかしらと、こっそりのぞくと、本が数冊、綿棒、点鼻薬、なぜか赤いボールペンばかりが数本。その中にはカープの3色ボールペンも入っている。広島カープのグッズだけあって、3色とも赤である。なぜこんなに赤が必要なのか私にはわからない。ふせんが1束、糸ようじ1箱、本を読むときに使うペーパーウエイト。右手しか使えないので必需品だ。そしてバッグのポケットに小さく折り畳まれた紙切れが1枚。そっと開くと、そこに体重が記されていた。主治医にショートステイに入ったときに体重を量るよう命じられている。車いすごと計れる体重計は大きな施設にしか置いてないからである。

 ダンナは体重が減っているときは、意気揚々と帰ってくるなり結果を報告するのに、増えているときは、ひた隠しにするのである。今回はきっと見せたくないのだなと、紙切れを元に戻す。ダンナの秘密は、昔からかわいいものである。

2018/8/12

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