エッセー・評論

木皿食堂

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撮影・木皿泉

撮影・木皿泉

 ダンナの誕生日にネコのぬいぐるみとマフラーをいただいた。ちょうどその日に着くように、宅配便で送られてきた。さっそく開封すると、ぱちぱちというような音がする。「あれ?」と思って手のひらを開くと、お米が2粒、いつの間にか手の中に入っていた。そばにいた母が、もう1粒飛び出すのが見えたと言い、探すと本当に1粒落ちていた。見慣れたものが、場違いな所から出てくると、ちょっと不思議な感じだった。たぶん送るときに、何かの拍子でまぎれたのだろう。お米が飛び出してくるというのは、日本昔ばなしに出てきそうな話で、何だかめでたく、誕生日ということも重なって、ちょっと嬉(うれ)しかった。

 次の日の朝、もしかしたらまだ出てくるかもしれないと、空になったダンボール箱の中を調べた。中敷きを取って隅々まで見たが何もない。そりゃそうだよな、と思いつつ、それでも未練で箱を逆さにして振ると、ぱちぱちという音がして、何かが放物線を描いて飛んでゆくのが見えた。まさか、と思って床を丹念に調べると、米粒が二つ落ちていた。「えーッ、なんで?」と箱の中をしつこく探し、何度も振ったが、さすがにもうないらしく、何も出てこなかった。人間というのはおかしなもので、二度あることは三度あると何の根拠もないのに確信し、次の日の朝、起きるなり箱を振った。今度は短くぱちッという音がして、何かが飛び出したような気がした。まさかねぇと思いつつ床を探すと、お米が1粒落ちていた。

2014/11/27

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