エッセー・評論

木皿食堂

  • 印刷
撮影・木皿泉

撮影・木皿泉

 あれは、小学2年だったと思う。私は何でも大きなものを作るのが好きで、紙粘土の花瓶も富士山のような形をしたバカでかいものだった。男子が気をきかせて私の作ったのを持ってきてくれたのだが、その時、他の生徒が作った花瓶に当たってしまった。私のはダンプカーみたいな巨大な物だったので、相手の方のが割れてしまった。男子生徒は逃げてしまい、割れた花瓶の持ち主に「どうしてくれるねん」と文句を言われ、私は事の顛末(てんまつ)をうまく説明できず号泣してしまった。

 そうなると、正義感の強い岡っ引きみたいな子がやってきて、私に真相を聞き出そうとするが、私は泣いてばかりだ。すると、私の前に犯人らしき生徒を連れてきて、「こいつか?」と面通しする。私が首を横に振ると、また別の生徒を連れてくる。そうじゃない。誰も悪くないんだと言いたいが、コトバにならない。岡っ引きはクラス中の生徒を私の前に連れてきた。こんな大事になってしまってどうしようと、今度は別の理由で涙が止まらなくなる。花瓶を割られた生徒の方はすでにケロッとしているのに、私がおんおん1人泣き続けるのを、岡っ引きの生徒は「割られた方が泣くんならわかるけど」と謎を深める。私は、事をどうおさめていいのかわからず、泣くしかなかったのである。

2018/5/6

天気(9月23日)

  • 26℃
  • 21℃
  • 70%

  • 27℃
  • 18℃
  • 60%

  • 25℃
  • 20℃
  • 60%

  • 26℃
  • 20℃
  • 70%

お知らせ