風景を読む

叙事、叙景、叙情。いま眼前に広がる風景に目を凝らし、表層と古層を行き来すると何が見えてくるだろう。記者、大学教授、カメラマンが兵庫のまちかどを歩く。

■病を癒やす霊地の泉 2015年に公開された濱口竜介監督「ハッピーアワー」は、5時間20分という長い ...

■感染症超えてきた海港都市 神戸港に寄港した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を遠望した。 ...

■進取の気性はぐくむ風待ちの浦 いつかまた見たいと念じてきた風景に再び身を置く。赤穂市坂越(さこし)。 ...

■替わり続ける民俗学の故郷 JR姫路駅から播但線で約20分、福崎駅で降りる。広々とした駅前広場に定期 ...

■再生期す都市、青春の面影 ポーアイ。口にすると軽やかな響きだが、造成に投じられたエネルギーはすさまじい。 ...

■異なる背景の人生交差する街 阪神間の中核、兵庫県西宮市。その発展は20世紀初頭、近世以来の都市空間 ...

■時代を変えた「たたら製鉄」 鳥取駅前を歩くと「国道29号 姫路」の標識に出合う。 ...

■至福の情景映す古い街並み 瀬戸内海に浮かぶ三角形の島・淡路島は、三つの頂点のそれぞれに港町(岩屋、 ...

■神戸支える共生のエネルギー パイプとタンクの森を歩いているようだ。鈍い銀色の管が縦横に走り、タンク ...

■光と闇 往還する文学の記憶 古来、「明石」は今よりはるかに広域を指す地名だった。 ...

■消費文化の街に昭和の面影 S・S。アルファベットのSを二つ並べてデザインした赤のシンボルマークがビル上部に見える。 ...

■海を想う人々の系譜刻む 在原行平、菅原道真、光源氏、平家一門。須磨は畿内と畿外の境界に位置する歌枕 ...

■「明日はえぇ日」を信じて 住宅地のあちこちにフェンスに囲まれた空き地が虫食い状に広がっている。 ...

■にぎわいに潜む苛烈な記憶 黒豆や丹波栗を生産する「農都」、立杭焼の伝統を持つ「陶郷」、武家屋敷群、 ...

■時代のうねりを超えて 空港をイメージした歌は幾つもある。中森明菜「北ウイング」(1984年)は成田 ...

■寄る辺なき女たちを引き受けて JR山陰線の城崎温泉駅(兵庫県豊岡市城崎町今津)をおりて駅前広場を左 ...

■海と工場直結、究極の効率生産 「日本初の食品コンビナート」が神戸東部第4工区にある。 ...

■連隊が紡ぎ出す「虹色の街」 「歌劇の街」として名高い兵庫県宝塚市は小林一三による郊外開発でつくられた街である。 ...

■先人の情熱 大地を潤す 天端(てんば)と呼ばれるダム最上部の通路は、夏の日差しに輝く緑の天空回廊のようだ。 ...

■折り畳まれる歴史の痕跡 今の姫路でもっともにぎやかなエリアは、JR姫路駅北側の、大手前通りの左右に ...

■咲き誇る肥料王の夢 これほど濃密に創業者の情念を宿している建物はそうないだろう。 ...

■流離するヒロインの休息地 現在の姫路市街は、近世初期に築城された姫路城を中心とする城下町がベースになっている。 ...

■環境の世紀に未来を重ねて 臨海部に広がるカネカ高砂工業所の奥部にいくつもの塩の山がそびえる。 ...

■逆流の中で築いた暮らし JR新長田駅南側、広い空の下の駅前広場。地下鉄の駅と直結し、合同庁舎の移転 ...

■文化溶け合う境界の魅力 山陽線上郡と因美線智頭(ちず)を結ぶ智頭線は計56・1キロ、計14駅の短い ...

■賑わいの記憶が甦る瞬間 神戸市兵庫区に位置する「兵庫津」。15世紀には当時の文化的最先端だった禅宗 ...

■経済の「血液」滞ることなく 経済の血液であるお金が社会の隅々にまで流れていく。毛細血管のごとく張り ...

■見えない越境者を包み込む 戦時下の海港の歴史は、国家とそれに抗する人々のせめぎあいのドラマを秘めている。 ...

■成長の光と影を宿して 神崎川の下流、左門殿(さもんど)川に分岐するあたりに広がる杭瀬に来ると不思議な気分にとらわれる。 ...

■移民2世の青春の陰翳 リニューアルした阪急神戸三宮駅東口を出て、サンキタ通りと山手幹線を横切って北野坂に入る。 ...

■アーチに宿るモダンの精神 三宮へ向かう阪急は神戸市灘区の王子公園駅の手前で高架に切り替わる。

■刻まれた激動の生活史 阪急、JR、阪神、神戸市営地下鉄の四つの鉄道が乗り入れるターミナル三宮の再開

■山間にたぎる大地の恵み 「湯村は生活に溶け込んだ温泉地」と老舗旅館「井づつや」の社長丸上宗慈(そうじ)(45)が話す。

■孤独慰めた「瞼の街」 18世紀上方の俳人・与謝蕪村に「菜の花や摩耶を下れば日の暮るる」という句がある。

■文化の響き市民の力で 3層バルコニー形式の大ホールには兵庫県内最大級の2010席がそろう。

■山々に抱かれた夕映えの街 神戸市東灘区の阪急岡本駅から石畳の岡本坂を下りると数分でJR摂津本山駅につく。

■海峡に宿る歌聖の情念 60年に1度だけ開帳されるという秘仏が明石・人丸山の月照寺にある。

■時空を超えて山から海へ 芦屋は神戸と西宮のはざまの南北に細長い市域からなり、国際文化住宅都市として

■近代化の扉開いた“絹の道” 秋の夕暮れ、5年ぶりに上垣守国(うえがきもりくに)(1753~1808年)の墓所に参った。

■「酒都」の盛衰 生き抜き 現在の西宮市には、文教住宅都市、または阪神間モダニズムの印象が強い。

■都市再生の夢 世紀を超えて 斜めに走る道路を行くとロータリーに出た。直径72メートル、円周220メートル。

■人生の陰影 文学に昇華 阪神尼崎駅のプラットホームから海側を眺めると、150年ぶりに再建された尼崎

■町並み再生 未来につなぐ 揖保川にかかる全長210メートルの龍野橋を渡ればふっと時空が変わる。

■ベトナム難民の第二の故郷 市川の中流、播但線仁豊野(にぶの)駅近く、国道312号沿線の聖マリア病院

■新旧超える理想を求めて 神戸電鉄南ウッディタウン駅を出ると激しい夕立に見舞われた。