風景を読む

西郷地区の入り組んだ小路で酒造メーカーの大きな屋外タンクに行き当たった。阪神・淡路大震災までは酒蔵の黒塀が続いていた。近くには沢の鶴資料館もある=神戸市灘区新在家南町5(撮影・三津山朋彦)
■孤独慰めた「瞼の街」
18世紀上方の俳人・与謝蕪村に「菜の花や摩耶を下れば日の暮るる」という句がある。摩耶山の名は天竺(てんじく)の高僧・法道仙人によって開かれ、在俗時代の釈尊(悉達(しった)太子)の生母・摩耶夫人を祀(まつ)る仏母摩耶山天上寺に由来する。現在、観光地としての知名度は六甲山に凌駕(りょうが)されたが、江戸時代までの摩耶山は全国にきこえた観音霊場であった。
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