風景を読む

多木化学の「多木浜洋館」。通称、あかがね御殿。1階の大広間は豪華きわまる。格天井には肥料会社らしく鮮やかな植物レリーフが浮き出る。壁面クロスは西陣織だ=加古川市別府町東町(撮影・三津山朋彦)
■咲き誇る肥料王の夢
これほど濃密に創業者の情念を宿している建物はそうないだろう。加古川市別府町の多木浜洋館。全身をすっぽりと銅板で包んだその姿は、時をへて緑青を吹いた今でも、往時の雄姿にちなんだ「あかがね御殿」と呼ぶにふさわしい。
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