風景を読む

建設から半世紀を経た現在でも、杭瀬団地は入居希望者に人気だ。青空の下、住民が丹精する専用花壇は花や野菜があふれていた=尼崎市今福1(撮影・三津山朋彦)
■成長の光と影を宿して
神崎川の下流、左門殿(さもんど)川に分岐するあたりに広がる杭瀬に来ると不思議な気分にとらわれる。古来、砂洲だったという奥まったエリアに住商工が混然一体と発展してきたたたずまいは、阪神尼崎やJR尼崎界隈(かいわい)とは画然と異なる。県境という文化の接点領域という条件も相まって、「兵庫」や「アマ(尼崎)」とひとくくりにできない雰囲気が漂う。
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