風景を読む

林の中にたたずむ墓標群。墓碑銘には第2次大戦以前に亡くなった陸軍軍人の名が記されている=丹波篠山市沢田(撮影・三津山朋彦)
■にぎわいに潜む苛烈な記憶
黒豆や丹波栗を生産する「農都」、立杭焼の伝統を持つ「陶郷」、武家屋敷群、妻入商家群、そして大書院の景観を誇る「城下町」。丹波篠山の自然・文化遺産の多彩さは圧倒的である。しかし、篠山が観光都市になったのはそう古いことではない。戦前の兵庫県で、篠山はなにより陸軍を擁する「軍都」であり、その「栄光」と「悲惨」を味わい尽くした街だった。その痕跡は今でも残っている。
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